税理士は過剰状態
政治
2024/06/07
ニセ税理士が1億3千万円稼ぐ国・日本
『アゴラ 言論プラットフォーム』より
税理士過剰と言われて久しい。登録税理士は、年に約600人増えている。一方、顧客となる中小企業は、年に約4万3千社(者)減っている。供給増と需要減が同時進行している状況だ(※2)。
価格低下も著しい。2002年の法改正以降、顧問報酬は月3万円から1万5千円へと、およそ半額となった(※3 )。月額5千円で請け負う格安税理士も出現している。
つまり、「税理士市場」はレッドオーシャンなのだ。
にもかかわらず、「市場」参入のチケット価格は非常に高い。およそ10年。人生の10分の1を会計・税法の勉強に捧げることが求められる。必要なのは理解・暗記だけではない。某大手資格学校の講師によると、
「問題を見た瞬間、反射的に答えが浮かぶスピード」
が求められるという。
運良く試験に合格した後は、実務従事が待っている。会計事務所などで経験を積むこと2年。合計12年間、スキルを高め続けた彼らの行き着く先が、税理士の独占業務たる「税務申告」、すなわち税務書類の作成である。
さて、この税務申告。これほど高いスキルが必要なのか? 海外の状況と比較する。
海外の税務申告アメリカでは、開業登録さえすれば、無試験・無資格で税務申告ができる。イギリスは、税理士のような国家資格制度はなく、誰でも税務申告が行える(※4)。バルト三国の一つエストニアでは、IT化を進めた結果、税理士が「消滅した」とまでいわれている。
エストニア(e-estonia)公式サイトより
つまり、これらの国では税務申告を、
「『誰』でも(ソフトウェアでも)できる仕事」
と位置付けているのだ。
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