ここに実証史学と文明論の対立を超えた視点があり、一国を超えたグローバルな歴史理解の重要性が再認識されます。
この『文明の生態史観』を皮切りに、宮崎市定『東洋的近世』、井筒俊彦『イスラーム文化』、高坂正堯『文明が衰亡するとき』、丸谷才一『忠臣蔵とは何か』の5冊の日本人の手による「文明論」を取り上げます。
どの議論においても歴史学の門外漢にまで開かれており、ビジネスマンや学生の方にも過去そして現代の社会を考えるよすがとなる一冊です。
『教養としての文明論』(ビジネス社)
【目次】 第1章●梅棹忠夫『文明の生態史観』 ――「ヨーロッパvsユーラシア」は宿命なのか 第2章●宮崎市定『東洋的近世』 ――GAFAの資本主義は世界を「中国化」する 第3章●井筒俊彦『イスラーム文化』 ――「滅びない信仰」の源泉は天皇性も同じ? 第4章●高坂正堯『文明が衰亡するとき』 ――冷戦期から「トランプ」を予見したリアリズム 第5章●丸谷才一『忠臣蔵とは何か』 ――事前に「革命」の芽を摘むJエンタメの起源