ゴールへの近道はいますぐ走り出すこと
―――業務委託であるにも関わらずいきなり会社で責任のあるポジションで活躍したり、起業をしたりできるのはなぜなのでしょうか?
とにかく走り出して、インプットとアウトプットを繰り返しながらビジネスレベルを引き上げています。
ガイアックスでは、コンサルティングディレクターという責任のある立場からスタートしました。しかし、業務手順やマネジメントの方向性はおろか、そもそもどのような事業なのかすらわからない状態だったんです。
そのような場合でも、新しく知識を得たものを、人に教えることで実践的な知識として落とし込んでいきました。立ち止まって考えを巡らせるよりも、とにかく行動を開始した方が、成長のスピードが早いことを日々実感しています。
―――新しい事業の構想を練るときのコツがあれば教えてください。
どのような事業を始めるか迷う場合は、ニーズがそもそも高く、かつ競合がいなそうなビジネスを探してみてください。スモールスタートでも顧客がある程度獲得できるので、事業を軌道にのせやすくなると思います。
ほか、時代の移り変わりに関係なく、昔ながらのことをずっとやっているような領域を発見できれば、新しいビジネスを展開させるチャンスです。
そしてなによりも“数を出せば1個は当たる”という精神で取り組むと、行動をしやすくなるのではと思います。
天邪鬼になって起業への第1歩を踏み出そう
―――「起業したことによる責任」とは、どのように折り合いをつけているのでしょうか?
現実的なところでいうと、ビジネスモデルによって責任の感じ方は変わると思っています。
私は資金調達を一切せず、得た収益を事業に回していくようなスタイルで起業をしているので、正直プレッシャーをあまり感じていません。ただ、最近事業が拡大して、ようやく責任の正体がわかってきた段階です。
責任を感じやすい起業方法は、投資家からの投資があるような、スタートアップのようなビジネスだと思います。投資家に対しての責任がのしかかるため、毎日が刺激的になるかもしれません。
もし起業をするプレッシャーに負けないか不安なときは、まずは少数精鋭の企業に入社し、経営者レベルの取り組みを実践してみるのも1つの手段です。責任をもって働くことの視座が高くなるため、自らの経営に生かす力が手に入ります。
―――最後に、起業へ興味があるけど1歩を踏み出せない若者に、アドバイスをお願いします。
環境のせいにせず、むしろいまある状況をプラスへと変換してみてください。
私は獣医学科に所属していたので、周りは獣医師を目指す人ばかりでした。しかし、「この環境で起業をしたら面白いかも」と天邪鬼のようなことを思った瞬間、自分で会社を経営するエンジンがかかりました。
結果的に、獣医学の知見をもとにして、ほかにはないサービスの提供に成功しました。なかなか行動できない人は、“周りと違うことをするからこその面白さ”の観点で自分を見つめ直してみると、新しい1歩を踏み出したくなるかもしれません。
株式会社ガイアックス
新規事業のアイディア出しからグロースまで、起業前のフェーズから徹底した支援を提供し、事業を連続的に生み出す「スタートアップスタジオ」。
ソーシャルメディアとシェアリングエコノミー領域、web3・DAOを用いた事業を展開中。事業開発やエンジニアリング、バックオフィスに資金調達など、あらゆる角度からのサポートにより、数多くの若手起業家を輩出した実績があるという。