世界随一のフェスティバルシティ、エジンバラは、夏の間フェスティバルムードで溢れかえります。エジンバラでは、他の街のフェスティバルでは見られない、1つのフェスティバルではなく、さまざまな種類の7つのフェスティバルが7月・8月にほぼ同時に開催されます。
7つのフェスティバルとは、世界的な音楽家やダンサーが集うエジンバラ国際フェスティバルを中心に、世界最大の芸術祭と言われるフリンジ・フェスティバル、ブック・フェスティバル、アート・フェスティバル、映画祭、ジャズ&ブルース・フェスティバル、ミリタリー・タトゥーです。
8月になると街中の至る所でショーを見ることができます。エジンバラフェスティバルの公式サイトによると、この期間には3,000以上のイベント、25,000人以上のパフォーマー、450万人以上の観光客が世界70ヵ国から訪れるそうです。
折角エジンバラに来たのでフェスティバルに参加したいけれども、イベントが多すぎて何を選んだら良いかわからない、チケットをどこで買えばいいのかわからないという方も多いかと思います。そんな方々のためにエジンバラ・フェスティバルをわかりやすくそして詳細に紹介します。
目次
エジンバラ国際フェスティバル
エディンバラ・フェスティバル・フリンジ
エジンバラ国際フェスティバル
開催期間:2024年8月2日~8月25日
エジンバラ・フェスティバルのメインイベントです。1947年に始まった毎年8月に3週間に渡って開催されるオペラ、演劇、クラシック音楽、バレエ、ダンスなどの分野の世界一流の芸術家が公演を行う芸術フェスティバルです。
エジンバラ城の裾野に広がるプリンシーズガーデンで花火の上がる盛大なコンサートが、オープニングイベントです。
世界的に有名なオペラ歌手のプラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスが参加したことがあり、また世界的チェリストのヨーヨーマも毎年訪れていたことで有名です。また日本からはマクベスを公演した演出家・蜷川幸雄、そして野田秀樹が出演しました。(敬称略)
2023年には日本の若きピアニスト藤田真央が初参加して、素敵なモーツアルトを演奏しました。2024年には世界的バイオリニストの五嶋みどりの参加が決まっています。(2回目)
2024年の目玉はピアニストのラインナップです。世界で活躍する若手ピアニストの10人に常に名が上がる3人がやってきます。3人とは韓国のチョ・ソンジン(2015年の第17回ショパンコンクールの優勝者)、中国の超絶技巧で有名なユジャ・ワン、フランスのアレクサンドル・カントロフ(2019年のチャイコフスキー国際コンクール優勝者)です。
国際フェスティバルに使用される主な会場は5つです。
- アッシャー・ホール(収容人数2,300人:メインのコンサートホール)
- キングス・シアター(収容人数1,300人:オペラ用)
- フェスティバル・シアター(収容人数 1,900人:主としてオペラ·バレエの上演用)
- ロイヤル・ライシューム・シアター(収容人数660人:劇用)
- クイーンズ・ホール(収容人数920人:リサイタル用)
チケットは、オンラインでまたは電話、またはボックスオフィスで購入できます。
そして、エジンバラ城の裾野に広がるプリンシーズガーデンで行われる花火のあがるグランドフィナーレのコンサートで、華やかに幕を閉じます。
Edinburgh International Festival Box Office
- 住所: The Hub, Castlehill, Edinburgh EH1 2NE
エディンバラ・フェスティバル・フリンジ
開催期間:2024年8月2日~8月26日
フリンジは、エジンバラ国際フェスティバルと同時期に開催される世界最大の芸術祭です。世界一流アーティストを招待する国際フェスティバルとは対照的な地位を占めるのがこのフリンジです。
フリンジの意味は、ふさ飾り、周辺、外縁。
1947年に第1回エディンバラ国際フェスティバルが開催された際、フェスティバルに招待されなかった8つの劇団が自主的に公演をメイン会場の外で行ったことからフリンジは始まったそうです。
今では世界最大の芸術祭と言われるフリンジは、メインの国際フェスティバルよりも観客を集めていますが、この始まりはささやかだったことから、この名前がついているのです。
現在でも、アマ・プロ、有名・無名を問わず、資格審査は全くなく、登録料と参加費を収め会場を見つけさえすれば、誰でも公演できるシステムになっているので、フリンジに出演することで注目を集め、一旗揚げようとする野心旺盛なアーティストが各国から集まってきます。
フリンジ出演後に有名になった人として、イギリスを代表する大女優のエマ・トンプソンや「ミスター・ビーン」で有名なコメディアン&俳優のローワン・アトキンソン、アメリカの俳優ロビン・ウィリアム(故人)がいます。
以前は演劇中心でしたが、最近はコメディやダンス、ミュージカル、オペレッタ、ライブ音楽、サーカスなどのジャンルまで、幅広いパフォーマンスが行われています
公演場所も教会やホテルの会議室、大学の空き教室、パブ、路上に設置されたステージなど、市内中心部の数百(600とも言われる)の会場があり、2014年には3193のショー、合計49,497のパフォーマンスが行われ194万枚のチケットが販売されたとされています。
日本からも毎年参加者がいて、和太鼓や芝居、書道パフォーマンスなどが行われています。
あまりにもショーがありすぎて、質はさまざまで、何を観るべきかわからなくなりますが、ショーを選ぶのも楽しみの1つですので、エジンバラまで来たらぜひ参加してみてください。
フリンジの全スケジュールや会場を網羅した厚さ2cmにもなる無料雑誌が発行され、街の各所に置いてあります。
また街中にチラシが貼られ、会場の入口に雑誌や新聞に掲載された劇評などが張り出されたり、パフォーマンスの宣伝デモンストレーションが路上で行われます。
他にも会場が確保できない大道芸人が街なかの各所でパフォーマンスをしているので、街中がお祭り状態となります。
2024年のプログラムは6月12日に公開されます。チケットは、オンライン、または電話、ボックスオフィスから購入できます。
Edinburgh Festival Fringe Society
- ボックスオフィス住所:Old Assembly Close, High Street, Edinburgh, EH1 1QS
- 公式サイト:Edinburgh Festival Fringe Society
- ボックスオフィス電話:+44 (0)131 226 2000