1. 自己保身のウソを付く

    ウソも方便という言葉がある。心で感じたことをそのまま口に出すのは正直、というよりデリカシーがないと受け取られる場合もある。ものには言い方がある。相手の自尊心を傷つけずに、それでいて必要なことを伝える力を持つべきだ。親が子供にいう「サンタクロースがプレゼントを運んでくれるよ」といったような、時には優しい嘘が必要な文脈もあるだろう。

    しかし、どんな嘘も「自己保身目的」だとたちまち信用を失う。たとえば相手から間違いを指摘された時は憤慨して「そういうつもりではない! ◯◯のつもりだった。そのような受け取り方をするあなたが悪い!」と自己保身全開のでまかせをいうのは悪手である。

    注意してきた相手を舐めないほうがいい。間違いを指摘された時点で、こちらの間違いや根拠を確認した上で勇気ある進言をしているのだ。であれば、やることは「間違えました。教えてくれてありがとう」これしかない。

    ここでプライドを守るために見え見えの嘘をついてしまえば、周囲の人に「あの人はいざとなると自分を守る嘘を付く」という、悪評を獲得することになる。信用の持つ価値の大きさと比べれば、そんな矮小なプライドなど守る価値はない。

  2. 時間を守らない

    これは本当に気をつけたほうがいいのだが、時間を厳守するということだ。

    約束の時間を守るというのは言うまでもないが、ZOOMや対面で待ち合わせをすると1-2分遅刻する人は結構いる。本人は悪びれる様子もなく、定刻に現れたと思っているかも知れないが、このわずか1分の遅刻を重大と捉える人は無視できない割合でいるという事実を忘れてはならない。待ち合わせで遅刻する、というのは相手を軽んじていることの現れである。

    仮に自分の取引や収入の決裁権を持つ社長と待ち合わせをするなら、普段は遅刻グセのある人も絶対に遅れないはずだ。それでも遅刻するということは、「遅れても流してくれるはずだ」と相手を舐めているからである。その姿勢が悪印象を与えるのだ。

    また、時間を守らないのは「頭」だけでなく「おしり」も同じである。「10分ほど軽く打ち合わせをしましょう」といいながら、ダラダラ次々と話題が飛び出て結局1時間話す、というのは相手に与える心情として良くない。「この人に捕まるといつも時間がなくなる」と感じさせてしまえば、もう次のアポに応じてもらえなくなる。だから最初に10分で、といったら本当に10分以内で終わるべきなのだ。

    ビジネスでは雄弁な語りや、高級時計やスーツの着こなしをビシッと決めるというより、やってはいけない信用の落ちる行為をいかにやらないかが重要である。身だしなみが素晴らしく、相手が聞き惚れる営業トークができる人でもキレたり、嘘をついたり、時間にルーズだともうそんな人に仕事をお願いしたいとは思わないだろう。

     

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