図2が日本の相手国別輸入額シェアです。
1995年の時点ではアメリカが最大の輸入相手国で25%ものシェアでした。当時は中国からの輸入は全体の6%程度だったことになります。
アジア圏(肌色)からの輸入が多いというのは輸出と同じ傾向です。近い地域での貿易の方が合理的であるという事が窺えますね。
2019年では、中国が21%にまで拡大し、アメリカ15%もシェアは低下しつつも15%と存在感が大きいようです。
一方で、オーストラリア、サウジアラビアなどの資源国の存在感も大きいのが特徴的ですね。
それ以外はドイツからの輸入が一定の存在感がある以外は、やはりアジア圏からの輸入が多く、欧州圏からの輸入が少ないという特徴があります。
2. アメリカの貿易相手国続いてアメリカの状況を見てみましょう。
図3がアメリカの相手国別輸出額シェアです。
1995年の時点では、日本向けの輸出が13%に達していてメキシコよりも多い状況だったようですが、2019年には6%と半分未満に縮小しています。
2019年では中国のシェアが大きく拡大していて、日本を上回ります。ただし、中国よりもカナダ、メキシコへの輸出の方が多いようです。
日本の対アメリカの輸出シェアが17%と非常に高いのとは大きく異なりますね。
輸出シェアの上位は主要国が占めます。
各国との輸出はバランスが取れている印象ですね。
図4がアメリカの相手国別輸入額シェアです。
やはり1995年の時点では日本のシェアは大きく15%に達しています。当時からカナダからの輸入が多かったのも特徴的ですね。
2019年では輸出とは異なり、中国が最もシェアの高い国となっています。中国、メキシコ、カナダの3か国で輸入の4割程度を占めます。
日本はドイツと同程度で5%程度で、1995年の3分の1に縮小しています。ドイツが5%で同程度なのと比べると、日本への依存度が大幅に下がっている事がわかります
もちろん自動車などの現地生産化も大きく影響しているとは思います。
3. 日米の貿易の特徴今回は、日本とアメリカの相手国別輸出入シェアについてご紹介しました。
日本は中国との貿易が拡大しつつ、アメリカの存在感も未だに大きいのが特徴です。特定の国との貿易が多く、地域としてはアジア圏との関係が強い事がわかります。
一方でアメリカは、日本との貿易シェアが大きく低下し、カナダ、メキシコ、中国との関係が強い事がわかります。
日米貿易摩擦と呼ばれていた時代もありましたが、既に貿易における日米関係は大きく変わっているようです。
この背後には、製造業等の現地生産化の影響も大きく関係しているかもしれません。
日本企業は多国籍化し、アメリカへも現地工場を多く作っていますね。
皆さんはどのように考えますか?
編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2024年5月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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