イスラエルのガザ侵攻についてもネタニヤフ首相の怒りや恨みの気持ちはわからないでもないのですが、今のガザ侵攻のようなやり方しかなかったのか、アメリカが代案を含め、説き伏せられなかったのでしょうか?アメリカの国務長官は相当頻繁に通い詰めたし、それ以外の高官や要人も年中、イスラエルや周辺国との調整を行ってきましたが、大枠の流れはほぼ何も変わったことはありませんでした。
挙句の果てにICC(国際刑事裁判所)がネタニヤフ氏らの逮捕状を請求したと報じらています。バイデン、トランプ、ネタニヤフ氏らが怒り心頭のようで逮捕状が本当に出るのか世界が注目するわけですが、ICCのプライドからして出るような気がします。ですが、私は逮捕状が出るような外交をしたバイデン氏の手腕のなさこそが理由ではなかったのかとも取れないでしょうか?
このあたりを見るにつけ、アメリカ外交の限界なのか、バイデン外交の限界なのか判断がつきにくいところではあります。ここにきてトランプ氏と大統領候補予備選で最後まで戦ったニッキーヘイリー氏が「トランプ氏に投票する」と明言したと報じられています。様々な読みがあるようですが、私は「究極の二択ならトランプ氏のほうがまだまし」という意味だと感じています。11月の選挙まで5か月以上も残す中でヘイリー氏が明白な判断をした理由はバイデン外交はもはや地に堕ちたといいたいのではないかとみています。試験でいうF(Fail)スコアであって仮にトランプ氏が70点でもまだましということかと思います。
最後に日本にはどのような影響があるのか、一言だけ述べてみたいと思います。東アジアの安全保障についてバイデン氏は中国や北朝鮮には十分なプレッシャーが出せない、よって中国や北朝鮮からは足元を見られていると私は見ています。バイデン氏が岸田首相に「北朝鮮、どうぞどうぞ、直接外交やってください」という趣旨だったのはバイデン氏の興味も余力も体力も時間も何もないので岸田氏に頑張ってもらうしかないという意味もあるのだろうと考えています。できればついでに日本がもっと中国問題に腰を入れてよ、と言いたかったのではないかと思います。
こうなれば日本にとってもバイデン外交への期待感が下がってしまうので戦略的に考えれば次期大統領は誰がベターかという議論になってくるのかもしれません。これこそヘイリー氏の論理と同じと言われても致し方ないかもしれません。究極の選択ですが、我々には選択の自由すらないともいえます。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年5月30日の記事より転載させていただきました。
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