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「ここだけの話」を聞く技術。そんなものは存在するのか? そう思った方もいることでしょう。よほどのコミュニケーション能力がない限り、そんなものは持てるはずがない、と思っている方も多いのではないでしょうか。

『できる人だけが知っている 「ここだけの話」を聞く技術』(井手隊長著)秀和システム

沈黙が怖い?話題はすぐ目の前にある

会話の中で「沈黙」が怖いというのはよくある話。ひとつの話題が終わると、沈黙の時間ができてしまうというのは、会話が得意な方であっても、誰でも思い当たると思います。

「とくに初対面の『はじめまして』のタイミングで、沈黙時間ゼロで会話を続けろというのは無理な話でしょう。実際に会話の引き出しが無限にあるという人は稀で、どうしても沈黙の時間は出てしまうもの。ただ、その会話の目的が『沈黙を作らないこと』かというと、それもまた違うかなと思います」(井手隊長)

「あくまで、目の前の相手といいコミュニケーションを作ることが会話の目的だとするならば、沈黙があったらダメということにはならないのです。むしろ、沈黙の時間があるのは当然です。沈黙の時間に焦って次の話題が出てこず、さらに焦ってしまい、そのあいだに相手が気まずさから『今日はこの辺で……』となるのは、あまりに残念な話です」(同)

沈黙の時間が訪れたときに、私がよく使うのは「なるほど〜、そうなんですね」と、少し間を作りつつ、目の前にある料理やドリンクについて触れるという手法です。会食なら料理があると思いますし、打ち合わせならドリンクが目の前にあるでしょう。