マリアノ・クネオ・リバロナ法相

法務省支局で75名が働いているはずが、実際には7名しか働いていない

16年続いたキルチネール派によるポピュリズム政治の名残が今も残っている。そのひとつを法務省に見ることができる。

ミレイ大統領から要請を受けて法務大臣に就任した弁護士のマリアノ・クネオ・リバロナ氏(60)は法務省の現状を把握すべく本省を皮切りに各支局などの視察を昨年12月から開始した。視察で発見した色々な現象を目撃したクネオ法相は、TNケーブルテレビ番組に出演した際に「一冊の本が書けるほどの内容で、ベストセラーは間違いない」と述べたほどで、想像できない事態を目撃したというのである。

その番組の中で披露したひとつは、ある法務省の支局を訪問した時であった。彼が掴んでいる資料によると、その支局では75名の公務員が働いていることになっている。ところが、実際に彼が見たのは僅か7名が執務をしていただけ。彼はそこにいた公務員に「他のスタッフはどこにいるのか」と尋ねた。そうすると、各自異なった回答をして来たそうだ。

その後もクネオ法相はその建物内の視察を続けた。そこで発見したのは、洞窟みたいなところを見つけたそうだ。そこで見たのは筋肉質で目がギョロットした男が牛かつを料理しながらテレビを見ていたというのである。また床下のようなところで寝ている人もいたそうだ。要するに、支局の建物の中で生活しているのである。

また法務省の別の建物を訪問した時に目撃したのはテレビを見ている公務員やデスクに座ってはいるが、何をしてよいのかわからないという公務員もいたそうだ。

更に別の支局を訪問すると、夫婦がいてシャワーを浴びた後のタオルがあり、その傍には大きな袋もあり、マットレスも用意されていたという。彼ら夫婦がクネオ法相に「住んで居る所が遠いので、そこで生活している」と答えたそうだ。しかし、その袋の大きさから見ると、もう長期間そこで生活しているようにクネオ法相には感じられたそうだ。

また同法相の手元にある資料によると、500人が健康上の理由で仕事を休んでいることになっているそうだ。しかし、給料はちゃんともらっている。