税金や保険、メンテナンスなど、自動車の維持には少なからずコストがかかるものです。その点で、予約ひとつで利用できるレンタカーは強い味方でしょう。
一方で、車の運転には大きな責任がともない、レンタカーを借りる際には一定のルールを守ることが求められます。貸し出しの約款や保険の規約などを守らなければ、万が一の際に大きなトラブルに発展する可能性もあるのです。
今回はレンタカー店のスタッフから、「貸し出しの際に絶対に止めてほしいこと」について話を聞きました。
目次
運転する可能性がある人は必ず申告を!
スタッドレスタイヤ未装着車を選んでおきながら…
運転する可能性がある人は必ず申告を!
レンタカーは基本的に、一度の借り受けの際にも複数人での運転が可能です。ただしもちろん、貸し出し時に運転する可能性のあるすべてのドライバーがその旨を申告しておく必要があります。
しかしレンタカー利用者のなかには、ドライバーとしての申告がないまま運転してしまう人もいるようです。
「借り受け時に記名していなかった人が運転してしまうケースがあります。こちらがそれを把握するのは事故などが起きた場合ですから、なにかと厄介な状況であることが多いんですよね。
もし申告のない方が運転しているときに事故を起こしてしまうと、保険の規約上、支払い対象とはなりませんから、かなり大きな負担になることがあるんです。
少し前の話ですが、借りた方が出先でお酒を飲んでしまったようで、未申告の方に運転を頼んだ結果、その方が他車両を巻き込む事故を起こしてしまったケースもありました。レンタカーの修理費用や休業補償はもちろんですが、相手車両の損害についてもかなりの実費負担があったと思われますので、とにかく運転する可能性が少しでもある方は貸し出し前に必ず申告しておいてください」(都内営業所スタッフ・勤務歴15年)
利用するドライバーが複数いても、基本的に追加料金などはかかりませんから、申告によるデメリットは考えにくいでしょう。
もし借り受け時に店舗に行けない人が運転する場合には、その人の免許証コピーを代わりの人が持参するなどの対処により、代理の申告が可能です。ただしこの点については、レンタカー会社や店舗によって対応が異なる可能性もあるため、事前に利用する店舗に確認しておきましょう。
スタッドレスタイヤ未装着車を選んでおきながら…
冬季にレンタカーを借りる場合、地域によってはスタッドレスタイヤ装着の有無を選択することができます。ほとんど雪の降らない地域の場合、近場であればノーマルタイヤの車両でも問題ないと考えられますが、なかには借りた人が「想定外の行き先」に向かってしまうこともあるようです。
東京都内の営業所に勤務するスタッフは次のように語ります。
「基本的に貸し出しの際には大まかな目的地を確認しているのですが、冬季にスタッドレス未装着車を借りる方にはとくにしっかり確認するようにしています。ただもちろん、そのとき答えた目的地とは別の地域に出向く方もいて、事故などの連絡を受けてはじめて『そんなところに行っていたのか!』と驚かされることもありますよ。
神奈川方面と答えていたのに、なぜか長野に行って、スリップ事故を起こしたり。行き先変更は当然構わないのですが、降雪エリアに行く可能性があるのであれば、先にスタッドレス装着車を選んでおいてほしいですね」(都内営業所スタッフ・勤務歴8年)
降雪時にはスタッドレスタイヤやチェーンによる滑り止め対策が義務づけられており、当然これはレンタカーの場合にも変わりません。
出発してから予定が変わるケースもあると思われますが、ノーマルタイヤの車を借りているときに降雪地域に出向く予定ができた場合には、一度レンタカーを返却したり、途中から別の移動手段を使ったりといった対処が必要になるでしょう。