学生が読まない、見ない
学生の就職人気ランキングの文系総合で、家具・インテリアのニトリが昨年に続き第1位を維持しました。日経新聞と就職情報大手・マイナビが来年3月卒予定の大学生を対象にした調査の結果(3・9万人回答)です。
メガバンク、大手商社、著名メーカーを抑えて、北海道発のニトリがトップに2年連続で躍り出たことは驚きです。国内690店舗、海外100店舗の大企業に成長し、さらに「IT(情報技術)コース」も備え、「製造物流IT小売業」というビジネスモデルを築き上げました(日経)。
在学中に学生に職場体験を積んでもらうインターンシップも本格的に実施し、学生に親近感を与えているようです。私の居住地に近い立川駅前の高島屋はデパート業をやめて、フロアを貸す賃貸業に転換したのか、ニトリが入居しました。ニトリは1社で広いフロアを2階分も占め、「高島屋」は客集めの看板にすぎなくなりました。業態の変化はすさまじい。
一方、私が毎年、ランキング調査で注目している新聞・テレビは、またも全敗です。学生は新聞は読まない、テレビも見ずスマホを見る。新聞、テレビは学生の日常生活に接点がないから、どのような業種か知るよしもなく、就職先として始めから考えていない。
ニトリのように日々、出かける店舗、買う商品がある企業が就職に対象になる。新聞、テレビの将来性以前に、若い世代とは接点がないのです。
新聞、テレビで唯一、上位50社に入ったのはNHK(44位)です。それも男女別にみると、文系男子は上位50社から姿を消し、文系女子が40位に入り、総合でかろうじて50社に入ったのです。昨年は36位でしたから、そのうち姿を消すかもしれません。
NHKに対しては、政権、政府の言論介入・指導が目につき、ジャーナリストの面白さ、やりがいも薄れている。その中で、NHK出身の女性キャスターなどは退職後、民放にスカウトされるから、女子学生も夢を見る。