・朝の早い時間帯は認知リソースがたくさんあるので、タスクの先送りをしにくい
・時間の経過や何かタスクに取り組む毎に、認知リソースは減っていく

ちなみに認知リソースを回復する手段は睡眠しかないと言われている。昼寝が「パワーナップ」と呼ばれる所以がこれだ。仕事が思うように進まないときは少し仮眠を取ることで認知リソースを回復することができる。このことも覚えておこう。

認知リソースの仕組みを味方につけて、同じタスクでも取り組む時間帯やタイミングを変えればいい。「企画書作成」という集中して取り組む必要があるタスクなら、夕方ではなく午前の早い時間帯に取り組むほうがよい。

午後になれば君はそれなりに認知リソースを使ってしまっている。その状態ではいざ「企画書作成」に取り組もうとしても、やる気がおきず「あとでやろう」と先送りしてしまう可能性が高まってしまう。

消費MPが多いタスクは先送りを防ぐためにも、1日のできるだけ早い時間帯に取り組むのがよいのだ。

一方「経費処理」をはじめとした、あまり頭を使わないような単調な作業は消費MPも少なく先送りはしにくい。こうしたタスクはMPがほとんど残っていない夕方の時間帯でも取り組むことができる。

どの時間帯に取り組んでもいいなら、わざわざ午前中のような認知リソースが豊富にある貴重な時間帯に取り組む必要はないのだ。

滝川 徹(タスク管理の専門家) 1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に自身が所属する組織の残業を削減した取り組みが全国で表彰される。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。その体験を出版した『気持ちが楽になる働き方 33歳大企業サラリーマン、長時間労働をやめる。』(金風舎)はAmazon1位2部門を獲得。2018年に順天堂大学で講演を行うなど、現在は講演やセミナー活動を中心に個人事業主としても活動している。

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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2024年4月17日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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