私たちが普段から利用しているファストフードチェーン「マクドナルド」。7月19日から都心部にある184店舗に「都心型価格」を適用して値上げされることになるが、マクドナルドに限らず広い分野で値上げが相次ぎ、「どのようにしたら安く、多くのものを手に入れることができるか」と考える消費者も増えている。本稿記者もそんな一人だが、街を歩いていてふと考えることがある。「サイズごとに量の違いはあれども、どうすれば一番お得に多くの量を手に入れることができるものか」と。

 例えばマクドナルドのドリンク。サイズは「S」「M」「L」の3種類だが、氷の有無でドリンク自体の量が変わってくるのではないか。つまり、もし氷抜きにすれば、その分、同じサイズでもドリンクの量が増えるのではないかと考え、「どれくらいの差があるのだろうか」と調べたくなったのだ。

企画のきっかけはとあるポッドキャスト

 実はこの話題、本稿記者がいつも聞いているポッドキャスト「backspace.fm」で出てきたものだ。テクノロジー系ポッドキャストとして人気を博しており、「素晴らしいPodcastを発掘する日本初のアワード」である「JAPAN PODCAST AWARDS」(今年3月発表)のリスナーズ・チョイス第5位に選ばれている。アメリカ・サンフランシスコ在住のソフトウェアエンジニアでユーチューバーのドリキン氏(チャンネル名「散財小説ドリキン」)、テクノロジー系メディア「テクノエッジ」編集部シニアディレクター・コミュニティストラテジストの松尾公也氏、テクニカルジャーナリスト・東京工芸大学特別講師である西川善司氏の3人がレギュラー出演者。時折ゲストを交えて専門的なトークを繰り広げる番組だ。

 この番組では冒頭、必ず「オープニングトーク」なるものがあり、3人が近況などを報告するのだが、西川氏がとある回で話した内容が本稿のテーマとなっている。以下にその会話の内容を引用する。

西川氏 (ケンタッキーフライドチキン<KFC>に行って)和風チキンカツサンドセットと単品のチキンを頼んで、ジンジャーエールLサイズにしたんだけど、そこで店員の合いの手が入るわけですよ。「サイズをアップすると30円アップになります」と。「よろしいですか」と。それはまあマニュアルだと思って「お願いします」と言った。「僕、持ち帰りなので氷を抜いておいてください」と言ったら、また例のセリフを言われましたよ。「氷抜いても量は増えませんけれどいいですか」って。「おーい!!」っていう。

松尾氏 自分にそれを言うのかと。

西川氏 でもマクドナルドは言わないからね。ドライブスルーで言っても。

ドリキン氏 でもそれって、どういうマニュアルなんですかね。ちょっと人の気持ちが分からない人じゃないですか。接客業として。結構致命的だと思いません? もし仮に量が氷の分増えたとして、多分損益としたら計上できないくらいの微量だと思いません?

西川氏 それで僕が例えば「増えないんだったら氷入れてください」って言うはずないじゃんね。引き下がれないでしょもう(笑)。

 このように3人が話している。文脈から分かるように、ポッドキャストでは西川氏が以前からKFCに不満を抱いていたようだ。余談だが、西川氏はたびたび同番組で将棋の藤井聡太氏のエピソードやモノマネを披露しており、ドリキン氏らから「藤井聡太漫談」とも呼ばれている。本稿記者もそれを楽しみにしているリスナーの一人。気になったのであれば一度聞いてみることをおすすめする。ただ、毎回「藤井聡太漫談」があるわけではないので注意だ。