アーセナル・ウィメン 写真:Getty Images

あなたはどのサッカーチームを応援しているだろう?特定のチーム名が思い浮かぶ人もいれば、もちろんそうでない人もいるだろう。特定チームを応援するいわゆる「サポーター」たち。彼らにはどんなきっかけがあり、サポーターになる前と後では人生にどのような変化が生まれているのだろうか。

英国の北ロンドン地域を本拠地にしているアーセナルは、2024年3月の『Women’s History Month(女性史月間)』に合わせ「現在のクラブを作り上げた先駆的な女性たちの存在、そして今も私たちの目の前で歴史を作り上げている女性たちに敬意を称す」としてイベントを開催。1ヶ月の期間中、公式サイトで女子チームの歴史的エピソードを紹介したほか「グーナー(※)になる方法は1つじゃない」というテーマで、アカデミー選手やサポーターへのインタビューを掲載し、彼女たちとクラブとの関係について紹介した。ここでは、その一部を紹介する。

※グーナー:アーセナルサポーターの通称


アーセナル・ウィメン 写真:Getty Images

男女ともに好調のアーセナル

アーセナル男子はプレミアリーグ(英1部)の過去2シーズンから勢いを上げ、今2023/24シーズン第31節を終えた時点で1位の座をキープしている。現在チームに所属している日本代表DF冨安健洋は、その活躍ぶりから世界中に多くのファンを抱えるワールドクラスの人物となった。

一方のアーセナル女子もまた好調で、今年3月31日に開催されたFA女子コンチネンタルリーグカップの決勝戦では、強豪チェルシー女子を相手に1対0で勝利。昨年から2年連続の優勝を勝ち取った。また英1部の女子スーパーリーグ(WSL)では、2011年のリーグ開始から現在まで3度の優勝を遂げており、直近3シーズンはいずれも3位以内の成績をキープしている。

男女ともに好調と言える現在のアーセナル。そんなクラブが改めて着目したのが女子チームの歴史だ。その背景にはキーワードとして「サッカーの発展」が大きく関係している。サッカーは時代の変化と共に膨大な時間をかけて進化していくもの。近年それが顕著にみられるのが女子サッカーだ。


エミレーツ・スタジアム 写真:Getty Images

時代とともに進化する女子サッカー

今年3月3日、アーセナル女子はホームであるエミレーツ・スタジアムで行われたトッテナム・ホットスパー女子との“ノースロンドンダービー”に1-0で勝利。会場には6万50人もの観客が集結し、2月に記録したアーセナル女子VSマンチェスター・ユナイテッド女子(6万160人)に続きWSL史上2番目の動員数を記録した。

いまやチケットは完売、今季ホームゲームの平均観客数は3.5万人を誇るアーセナル女子だが、この快挙は決して一夜で成し得たことではない。同クラブは女性史月間ページで「これまで手にした数々の輝かしい成績以上に、レイチェル・ヤンキーやケリー・スミス、エマ・バーン、ジェーン・ラドローなど多くのレジェンドたちの活躍が現在プレーするサッカー選手たちに大きな影響を与えており、それら過去のプロセスこそが今後の発展を構築する上で最も重要だ」と記した。

また、今回のノースロンドンダービーではグラウンドスタッフやテクニカルチームが全て女性であったことにも触れ、ピッチ内外を問わずサッカー界で働く女性にその機会を提供するため組織と協力していることを示した。これは、英国女子サッカー界が時代と共に刻々と進化していることを証明するエピソードと言えるだろう。

ビビアン・リア 写真:Getty Images