【議員報酬と国民平均年収比較】(単位:国民平均年収/議員報酬 ÷ 国民平均年収)

1位 シンガポール(370万円/26倍) 2位 ナイジェリア(240万円/22倍) 3位 日本(418万円/7.2倍) 4位 ニュージーランド(425万円/5.0倍) 5位 イタリア(348万円/4.5倍) 6位 アメリカ(625万円/3.0倍) 6位 ドイツ(483万円/3.0倍) 8位 カナダ(82万円/2.9倍) 9位 オーストラリア(596万円/2.6倍) 10位 オーストリア(504万円/2.5倍) 手当を含めると日本は何位?

日本の国会議員には多くの手当があります。

調査研究広報滞在費(旧文通費)が毎月100万円、期末手当(賞与)が年額635万円、立法事務費などの必要経費が月額65万円、JR特殊乗車券・国内定期航空券の交付や、3人分の公設秘書給与や委員会で必要な旅費、経費、手当て、弔慰金などが支払われます。

また、政党交付金の一部が、各議員に支給されます。1人あたりいくらかかるのか計算してみましょう。

基本給:1552万8000円(月額129万4000円) 期末手当:635万円 文書通信費:1200万円(月額100万円) 立法事務費:780万円(月額65万円) JR特殊乗車券、国内定期航空券:北海道選出の議員であれば羽田⇔新千歳(ファーストクラスなら往復10万円×月4回×12カ月=480万円)となる 秘書給与:2100万円(政策秘書900万円、第一秘書700万円、第二秘書500万円と仮定) 政党からの支給:0~1000万円程度。

合計:6000万~7000万円程度と推測

ちなみに、国内定期航空券があれば、ファーストクラスを利用することができます。

「国民の税金でファーストクラスに乗ることなどできない」という議員はエコノミーを利用するかもしれませんが、まず存在しないでしょう。

政党からは役職に応じて黒塗りのVIP車もあてがわれます。秘書3人を雇用し、かかる費用も国から支給されます。秘書給与に関する費用は年間2000万~3000万円ともいわれています。

議員会館の賃料は無料、議員宿舎には格安で居住することができます。2014年に賃料引き上げを行いましたが、周辺相場の2割程度で借りることができます。

24時間体制の警備がほどこされセキュリティは万全です。部屋から緊急通報のボタンを押せば秒速でスタッフが駆けつけます。

毎回先延ばしになる議論

調査研究広報滞在費(旧文通費)をめぐる問題の本質は日割りや名称を変更することではありません。「報告・領収書提出義務」がないことです。

「使途の明確化や情報公開」など、重要な要点はいつも触れられずに先送りされています。与野党ともに曖昧に決着をつけようとする姿勢が強く見受けられます。これは、非常に残念なことです。

議員は国の代表ですから、相応の報酬があることはもちろん理解できます。しかし、税金によって支払われる以上、議員の仕事に見合うかどうかを国民1人ひとりが注視しなければなりません。やはり、旨味がありすぎてやめられない味なのでしょうか。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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