SaaS・中小SIer・外資と業態に応じて研修の規模が縮小されていく傾向

 大手SIer以外の業態では、同じ業界でも少し内情は異なるようだ。自社で汎用的なサービスを開発・販売する企業(SaaS企業)では、扱うサービスが決まっているため研修内容もそれに即したものになるという。

「研修に専念する期間は1~2カ月で、ビジネススキルや開発研修を行ったあとはすみやかに配属されます。研修で学ぶ言語は自社のサービスで使われているものになります。また、SIerでも規模的に中小に分類される企業や、あるいは大手でも実力主義の企業では研修のスタイルは異なるでしょう。両者は仕事のレベルや企業の規模はまったく違いますが、どちらも即戦力が欲しいという点では同じ。そのため、どちらも研修は最低限に抑えられていることが多いのです」

 これらの企業では、現場や自分で学んでいくことを前提に、技術のみ短期速習で詰め込む研修が多いという。中小の場合はとにかく人手が足りないので最低限の研修で現場に送る。一方、実力主義の企業はもともと実力のある学生を採用しているので、研修の内容も高度・高速になっている。同じなのは研修期間の短さだけだ。加えて、内資・外資でも研修のやり方はかなり違っている。

「先述の大手SIerが代表的な例ですが、国内企業は研修が完全に体系化されており個々が選択する余地はあまりありません。一方、外資の場合はグローバルで共通の研修コンテンツをe-ラーニングで受講する形が多くなっています。何をどの程度研修するかは個人の判断に任されており、就業環境に応じて自分で必要とする研修を積み上げていく形です」