■気になる関西の納豆事情

「関西人は納豆嫌い」説を明らかにするため、「金のつぶ」でおなじみのミツカンに話を聞いた。ミツカンの広報担当者は、全国納豆協同組合連合会のリサーチデータ「納豆に関する調査」(2007~2021年)のデータを参照しつつ、こう話す。

「納豆を食べない理由のアンケート調査『納豆を食べない理由』(全国平均と京阪神の比較)では、京阪神で『臭いが嫌い』『昔から食べる習慣がない』と回答した人が全国平均よりも多いです。また、当社の商品に限ってしまいますが、エリア別で100人あたりが納豆にかける購入金額は、2011年時点では全国平均と京阪神に2,763円分の差がありました。ですが、徐々にその差は縮まっていて、2021年は全国平均との差は2,134円になっています」(広報担当者)。

つまり、苦手な人はやや多いものの、関西でも納豆を購入する人が増えているということだ。

■食べる人が増えた背景は…

なぜ、関西で納豆の消費金額が増えているのか。前出の広報担当者は、納豆がひと昔前に比べて進化していることが背景にあるのではないかと推察する。

「かつては、だし醤油で食べる定番の納豆が多かったですが、最近は納豆コーナーに行くと、たまご醤油味や梅風味の納豆などバリエーションに富んだ味が発売されています。こうした商品の中には、たれの香りや味わいが強く、納豆特有の臭いがしにくいものもあるので、『納豆は苦手だったけど、この商品なら食べられる』という方も出てきたのではないでしょうか」(前出・広報担当者)。

たしかに、最近は納豆の臭いを軽減した商品も多い。これまで臭いを理由に避けていた人も、食べるようになったのかもしれない。

また、前出の広報担当者は、「関西に限った話ではありませんが、納豆に関する健康情報のメディア露出があると全国的に納豆の売れ行きは良くなる傾向にございます」と補足する。

納豆を食べるメリットが広く知れ渡ったことも、関西の納豆人気を押し上げた理由の一つかもしれない。