黒坂岳央です。

日常的に買物をしていると、インフレを実感することが増えた。牛乳や卵はもちろん、ネット上での買い物をする時にも「あれも、これも値上げしている」と実感する。インフレ自体は悪いことではない。だが、日本人はあまりに長くデフレに慣れてしまっているので、買い物習慣を切り替える必要があると思っている。

デフレとの最大の違いは「割引」である。服でも電子機器でも「後で買おう」と思っていたものが、僅かな期間で値上げになり「しまった!」という経験が何度かあった。インフレ経済下では時間が経つと安くなるのではなく、むしろ高くなることが少なくない。

インフレ時代のこれから、値上げ前に買うべきものは何があるだろうか?

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Windowsパソコン

これからほぼ確実に値上げしていくものの筆頭がWindowsPCである。

WindowsPCはメーカーの数が多いので、安物も高級品も入り乱れている状態だ。そのため、十把一絡げに「機種に関係なく今すぐ買い」とは言いきれない難しさがある。たとえば高性能グラボを積んだハイスペックモデルになると一昔前の仮想通貨のマイニング用にバブルが起き、次にAIブームによって高騰した。搭載するグラボ価格がPC販売価格を大きく上昇させたため、仮にグラボが安くなればハイスペックモデルの価格は他のパーツが値上げしてもトータルコストはそれほど変わらない可能性は残る。

だが、高画質ゲーム、動画編集をしないほとんどの人にとって、高価なグラボ搭載モデルを買う選択肢は基本的にない。本稿でお話をしたいのはあくまで10万円以下のミドルスペックまでの想定である。

PCを構成するパーツの価格高騰ももちろんだが、特にWindows10の場合は2025年10月にサポート終了となり、その後も10を使い続けるとセキュリティに問題が生じる。一応、Windows10から11へ移行すればこの問題は回避可能だ。しかし、ある程度スペックがないとWindows11に移行はできないとされている(一応、無理に移行する技も存在するが、あまり推奨できない)。そのため、「半ば強制的な買い替えの需要」が2025年秋ごろに生まれることが法人を筆頭にほぼ確定的である。

駆け込み需要は需給バランスを崩すので、そこで価格が上がる。Windows10ユーザーの中でスペック不足で11への移行ができない人は、その前に買い替えを推奨したい。