黒坂岳央です。

生きていれば必ず出費が伴う。家賃や光熱費、通信費に食費など、生きていく上で必要不可欠なコストは固定費と呼ばれ、文字通り固定でかかるので動かしようがない。

QOLを決めるのは固定費より、むしろ変動費である。変動費は外食、旅行や自己研鑽など意識すれば0円でも青天井にも引き上げることができるコストのことを言う。

問題は将来への備えを意識しすぎて、変動費を極端にケチって現在時間を空虚に過ごしてしまい、お金だけはあるが思い出が何も無い人生になりがちということだ。筆者がやっているマネーのコツを2つ紹介したい。

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コツ1.収入で変動費を決める

ルールはシンプルで収入が増えたら、変動費を増やすのである。その際、あらかじめ割合を決めておくのがコツである。自分のようにサラリーマンでない立場を取っていると、収入は毎月大きく変動する。これをするようになってからお金を使う時は行き過ぎたコスパの概念で妙な罪悪感を覚えることもなくなった。これまでは収入の多寡に関わらず、「大型旅行は年に1回か、多くても2回」みたくなんとなく考えており、すぐに使わないお金は全て長期運転資金にあてていた。

だが心の奥底で漠然と「将来、取り崩して使うだろうか?」と考えていた。もし、使わないまま人生を終えるなら、それはもったいないなという感覚もあった。加えて、自分は元来、倹約家で散財が苦手である。溜め込んだまま人生を終えてしまいそうな感覚がどこかにあった。また、365日仕事だけが続くと、仕事の成果物という「記録」は残るが代わり映えのない日常が続けば人生の「記憶」がない一年間になってしまう。

そこで収入に応じて「収入が増えた分は遠慮なく使ってもいい」というルールに変えた。これをしてからは空漠たる不安は雲散霧消した。

「思い立った翌週からリゾート地でのんびり長期滞在」みたいに試してみたが、使わない分は先に確保しているので出費への罪悪感もない。「永遠に老後資金が積み上がるだけでは?」という感覚もない。もちろん、収入が落ち込むことが続いたなら、それに連動して出費をやめ、仕事や勉強に集中すればいい。

「サラリーマンは固定給なのでそのようなことはできない」、と反発がありそうだが、残業代は変動値であり、イマドキ投資や副業に励んでいる人も増えてきたので、変動収入を持つ人もいるだろう。自分がやっているように、増えた資産割合に連動して、今を楽しむ消費に使うことを推奨したい。

巨費を投じる勇気が出ない人は、外食のグレードをアップしたり、いいワインに手を出すなど割合を減らしてこのルールを適用することでも十分充実感があるはずだ。