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■地元有志は「未来に何を残すか」
近隣の小学校に子供が通う保護者で、明治神宮外苑を子供たちの未来につなぐ有志の会の代表を務める加藤なぎささんは、「多くの方が心配している樹木の伐採だけでなく、さまざまな角度と視点で見通す必要があると思います」と語る。
「先人たちが約束した創建の理念、森を失うことによる生態系の喪失、都市の気温上昇、建物の建替えによる大量の資材廃棄と新しい素材の消耗、ビルの増加によるエアコンなどのCO2排出増加、縦に高い建築物に頼る経済成長の限界、競技スポーツとしてのあり方、誰もが隔たりなく気ままに過ごせる都市の自然の貴重さ、何より子供たちが親しむスポーツの場がなくなること。この多様さこそ明治神宮外苑の真の価値だと考えています」と加藤さん。
「都市計画公園におけるまちづくりは、その土地の価値や性質を正確に捉えてこそ、未来につなげる計画になるのではないでしょうか。再開発を考えることは、今の大人たちが、子供たちの未来とその先に何を残すべきかを考えることだと感じています。必要な開発なら理解と共感をしたいと思っています。そのためにも、ぜひ多くの方の話に耳を傾け、計画に組み込んでいただきたいと思います」と思いを述べた。