周辺住民から、これほど賛成の声が聞かれない再開発計画も珍しいのではないだろうか。
数々のドラマなどで象徴的なシーンを演出してきた絵画館前のいちょう並木、神宮球場、秩父宮ラグビー場などが位置する明治神宮外苑で700本以上の樹木を伐採し、高さ200mに迫る超高層ビルを建設するという再開発の工事が始まっている。
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■坂本龍一さんが「反対の手紙」
今年3月に亡くなった音楽家の坂本龍一さんは、生前の2月24日、小池百合子東京都知事らに手紙を送付。
現在の計画は「持続可能なものとは言えない」とし、「持続可能であらんとするなら、これらの樹々を私たちが未来の子供達へと手渡せるよう、現在進められている神宮外苑地区再開発計画を中断し、計画を見直すべきです」と提言した。
坂本さんの死後、後藤正文やいとうせいこうなど多くのアーティストがその遺志を引き継いで樹木の伐採中止を提言。また、東京ヤクルトスワローズのファンで知られる作家の村上春樹氏は、ラジオ番組で反対を表明している。
17日〜19日にかけて、ごく近隣の住民を招いた説明会が開かれているが、近接する小学校や保育園、幼稚園など、外苑を学習や遊びの場としてきた子供たちや保護者も説明の対象から外され、不満の声が高まる。