アダムス氏はまた、地下鉄における重度の精神疾患者にアウトリーチするチーム(SCOUT)の支援を拡大させるため、新たに臨床医を雇用すると発表した。

費用や効果に疑問の声も

ニューヨークの地下鉄では近年、犯罪防止に向け監視カメラの大幅な増加や警官の増員をはかっている。さらなる監視機器の設置に疑問の声も上がっている。

デバイスの費用に関する説明はなかったが、ニューヨークタイムズは専門家の話として、1台あたりのリース料は4年間で推定約12万5000ドルだと伝えた。一般的な金属探知機は1台あたり10,000ドル未満で購入が可能だという。

ある関係者はニューヨークポスト紙に「警察は地下鉄でTAS(運輸保安局)でもやるつもりか。新たな不便が生じる」と不満を漏らした。警察関係者から「これ以上ロボットはいらない。警察の数を増やすべきだ」という意見も寄せられているという。

エボルブ社は先月26日、「事業や運営、見通しに関して重大な虚偽や誤解を招く発言」や「不利な情報を開示しなかった」として、株主から集団訴訟を提起されている。原告の弁護士は、同社は製品の有効性を「著しく誇張」し、「ナイフや銃の探知に関わる有効性の欠如が、学校などの場所で探知されずに持ち込まれるリスクが増大した」と主張している。ガーディアン紙によると、同社は現在、貿易規制当局や金融規制当局から調査を受けている。

また、法律互助協会でデジタルフォレンジックを専門とするジェローム・グレコ弁護士は声明で、「テクノロジーへの性急な信頼」は「見当違いかつ、高コスト、プライバシーの重大な侵害を生み出す」とアダムス氏の判断を非難している。