スタートアップ大国として知られるイスラエルも、2023年は資金調達の困難に直面した。2022年に始まった世界的不況と、それに伴う金融引き締めの動向に抗えなかったのだ。2023年のスタートアップ投資額は前年に比べて半分に激減した。
この逆境の中、それでも2024年1月のイスラエルにおけるテックスタートアップへの投資額は4億7300万ドルにもおよび、前年同期比75%増という勢いを見せている。スタートアップを支える同国エコシステムのレジリエンスの高さを示すものだ。
またガザ紛争やイスラエル北部の政情不安が逆風というよりもむしろ追い風になり、特にサイバーセキュリティ分野での需要を後押ししている側面がある。この状況下で、創業以来の高成長を続けているのがサイバーセキュリティ企業Torqだ。
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Image Credits:Torq
創業3年目で総額1億2000万ドルを調達
2024年1月にTorqが行った発表では、創業3年目であった昨2023年に売上が300%、顧客数が500%増加したという。さらに、同月にはシリーズBラウンドにて4200万ドル(約63億円)の資金調達を行った。同社のこれまでの総資金調達額は1億2000万ドルとなった。
同社の急速な成長を支えるのが、サイバーセキュリティ分野におけるAI主導のハイパーオートメーション技術だ。Torqは大規模組織における複雑化したセキュリティ基盤の運用を高度に自動化する技術を提供するパイオニアとして広く知られている。
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Torqのプラットフォームは各種アーキテクチャ・エレメントによって自動化を推進する。Image Credits:Torq
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Torq公式ウェブサイトのブログでは「SOAR is Dead」という文言も。Image Credits:Torq
ハイパーオートメーションで大規模組織のセキュリティ課題を解決
今日の大規模組織におけるセキュリティ基盤は極めて複雑化している。数多くのセキュリティツールや複数のクラウド環境が混在しており、その組み合わせは爆発的な勢いで増加。人手での運用はもはや不可能であるにも関わらず、自動化は困難な技術課題でもあった。そこにメスを入れたのがTorqのセキュリティハイパーオートメーションだ。
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Torqの自動化は三段階から成るとされている。Image Credits:Torq
そしてレベル3では生成AIと機械学習を組み合わせたハイパーオートメーションによって、プロセスを横断して非定型的なセキュリティイベントまで認知し対応。自動化のレベルを90%以上にまで高めることが可能だという。
さらにノーコードと呼ばれるプログラミング不要の開発環境を利用することで、セキュリティ基盤の洗練された運用フローの俊敏な開発と実装を可能にしている。