■そんな「誕生秘話」があったのか…

さて、話題のブラックアウトステッカーは、やはりPocketGriffonさんの言うように「キートップの保護」を目的として製造されたのだろうか。

同製品開発の経緯について、ファーイーストガジェットに話を聞いたところ「じつは、別商品の開発過程で生まれました」と、意外な回答が。

担当者は「当時、Mac用アプリのショートカットをプリントしたステッカーを作っており、その形状がキーに合うように検討する際、黒いシールを切って形を確認していました。そのシールをMacに貼った瞬間に『Macが憧れの無刻印キーボードになる!』と気が付きまして。これはプロダクトとして『アリ』なのではないかと、一気にメンバー間でアイデアが盛り上がったのが開発のきっかけです」と、説明している。

誕生のきっかけ以上にユニークなのが、同製品の有する2つのデザインだろう。

今回、PocketGriffonさんの投稿で話題となったのは「Proモデル」というミニマル感が高い、全てが真四角なステッカー。

カフェで隣に座った男性、奇妙すぎるPCにギョッとした 「予想外の正体」で二度驚く…
(画像=『Sirabee』より引用)

そして、文字が完全に消えてしまうのが心配…というユーザー向けに、ステッカーの形状が「文字のシルエット」となっている「通常モデル」(タイプフェースモデル)が存在するのだ。

カフェで隣に座った男性、奇妙すぎるPCにギョッとした 「予想外の正体」で二度驚く…
(画像=『Sirabee』より引用)

当初は前者のみ販売していたが、次第に「タッチタイピング(ブラインドタッチ)ができるユーザーだけが無刻印のキーボードに憧れているわけでない」と気づく。かくして、ある程度文字が視認できるタイプフェースモデルの開発に至ったというわけだ。

担当者は「今ではタッチタイピングを修行するためのグッズとして購入される方もおり、塾でお子様にご利用頂いているケースもSNSで見られます」と、その実用性について語っている。

そんなファーイーストガジェットは「誰もが必要とするわけでないかもしれないけれど、どこかの誰かのニーズに強烈に突き刺さる」というアイデアをオリジナルプロダクトとして、デザイン・製造・販売するプロダクトデザインユニット。

特にPCやスマホなどデジタルガジェット周辺を領域としており、今回の取材に際して「ブラックアウトステッカーのような、まだ多くの方が気づいていないけれど魅力的で、あるシーンを創造したり盛り上げるプロダクトが今後も送り出せたらと思います」とのコメントを寄せてくれた。

クールなデザインでブラインドタッチの練習サポートもしてくれるブラックアウトステッカー。興味がある人は、ぜひ入手してみてほしい。