目次
豪快な小型FRスポーツセダン、「ランタボ」誕生
4WDターボ時代のWRCでも活躍
豪快な小型FRスポーツセダン、「ランタボ」誕生
しかし、後にアレコレと装飾がついたり迫力あるフロントマスクやエアロパーツで存在感を増す三菱車のボクシーなデザインも、フロントマスクがアッサリしていたランサーEXではかなり地味な印象であり、販売面では成功と言い難かったようです。
そのため、テコ入れとして当時流行のターボエンジンを取り入れた「ランサーEX1800ターボ」が1981年に登場、輸出向け2000ターボのエンジンはギャランに搭載されたため、国内販売戦略上ランサーEXは1800止まりだったと思われますが、それでも十分でした。
まだ「どっかんターボ」の時代だったとはいえ、パワーバンドにさえ入れていればターボチャージャーのブーストはレスポンス良好、操縦性には元から定評のあった小型軽量FRセダンですから、振り回してターボパワーで豪快に加速するには最高と言われます。
もちろんそのような用途がもっともふさわしいのはラリー競技で、先の見えないコーナーへ派手なドリフトアングルで突っ込み、猛烈なホイルスピンで落とさなかったブースト圧でそのままクリッピングポイントを突き、次のコーナーへ襲いかかっていったのです。
後には空冷インタークーラーも追加してグロス135馬力から同160馬力へ強化、ランサーEXターボを略した「ランタボ」は大いに名を上げ、後にランサーエボリューションが登場しても、エボ以外のターボ車は自動車誌などで「ランタボ」と言われ続けました。
4WDターボ時代のWRCでも活躍
1981年には輸出仕様のランサーEX2000ターボでWRC(世界ラリー選手権)へ参戦、既に4WDターボのアウディ クワトロが猛威をふるっていましたが、翌1982年の第9戦1000湖ラリー(フィンランド)では3位入賞する好成績を収めています。
ただ、こうした「ランタボ」の活躍は、後の「ランエボ」や、日産のスカイラインGT-R、ホンダの「タイプR」と同様、高性能モデルにクルマ好きの人気が集まる一方で、必ずしもスポーツ要素を好まない一般ユーザーからは格落ちのように思われ、敬遠されたようです。
さらに1982年にはミラージュII(2代目ミラージュ)セダンの姉妹車で、FF車の「ランサーフィオーレ」が登場、FRのランサーEXと人気を二分するというより、一般ユーザーにとっては新時代の大衆車でベーシックなFF車の方がウケたとも言われます。
同様の話は同時期にFR車とFF車を併売したトヨタのコロナやカリーナ、いすゞのジェミニでも見られたことで、それらがマニア受けする高性能モデルやタクシーなど業務用を除いてFR車を廃止する中、ランサーEXも1987年に廃止され、最後のFRランサーとなりました。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
【関連記事】
・【新車情報カレンダー 2021~2022年】新型車デビュー・フルモデルチェンジ予想&リーク&スクープ
・運転免許証で学科試験の点数がバレる?意外と知らない免許証の見方
・今一番危険な車両盗難手口・CANインベーダーとは?仕組みと対策方法
・SNSで話題になった”渋滞吸収車”とは?迷惑運転かと思いきや「上級者だ」と絶賛
・トヨタ 次期型ノア&ヴォクシーに関する最新リーク情報すべて