成長するイスラエルのヴィーガン食品市場
Nextfermが拠点を構えるイスラエルは、世界有数のヴィーガン大国として知られている。ジェトロ(日本貿易振興機構)によるとイスラエルは国民の74%がユダヤ教、18%がイスラム教であり、ヴィーガン人口の多さは宗教が深く関わっていると考えられる。
しかしそれだけでなく、近年の健康志向ブームも相まって、イスラエルの総人口の5%がヴィーガンであるといい、その数は着実に増加しているとのこと。
市場におけるヴィーガン需要の高まりを受け、2024年3月にNextFermはインドでProteVinの最初の生産ラインを完成したと発表。
この製造施設はインドの酵母製品業者であるKothari Fermentation and Biochemとの契約に基づいて設立された。ここを拠点に、NextfermはProteVinの販売強化と新規顧客の獲得に乗り出す予定だ。
今年は施設の本格稼働に力を入れ、生産量の増加により年間約400万ドルの売上を達成する試算だ。成長するヴィーガン市場で、Nextfermはさらなる成長が見込まれる。
さらなる技術開発で期待される収益増加
Nextfermは今後、ProteVinの生産工程で副産物として得られる高品質の酵母エッセンスを用い、調理中や調味料に使われる酵母エッセンスの製造を計画 している。今後本格的に市場に進出するとのことだ。
Mordor Intelligenceによると、酵母・酵母エキス市場は2024年から2029年にかけてCAGR 10.01%で成長すると予測されており、主軸となるProteVinの収益増加に加えて新たな主力製品となりそうだ。
一方ProteVinもまた、これまでに多くの食品企業とのコラボ商品の販売を行っており、アメリカとヨーロッパで“ProteVin”のブランド名が付けられた商品が販売されている。
2022年の発売開始から、すでに100社以上の企業から高い評価を受け、4社からスポーツパウダーの材料として採用され、市場に前例のない最高水準の新製品開発を称えるEdison Awardsを受賞している。
食品の風味を損なわない酵母ベースのヴィーガンプロテインという他社にはない強みを生かし、今後もProteVinはさまざまな代替製品に採用されるだろう。
成長する市場の後押し
ボストン コンサルティング グループによると、代替製品市場は、2035年までに2900億ドルまで成長すると予想されている。 2035年までに世界中で摂取される肉、卵、乳製品、魚介類の10分の1は代替たんぱく質から作られると予測されている。
昨今の健康志向、筋トレやダイエット時のたんぱく質補給にも“欠かせない”とされているプロテイン。さまざまな視点から今後も伸びるであろうたんぱく質需要に応え、技術開発を続けるNextfermの動向に注目したい。
参考・引用元:Nextferm
(文・Sachi)