値上がりを期待できるものとして絵画と高級腕時計はあくまでも趣味の領域として私はあり得ると思います。ただ絵画は取引市場が非常に狭いのとその客観的価値の査定が難しいところが一般の方には難点かもしれません。この絵が100万円でこちらが1千万円と言われても少なくとも私には10倍の違いを感じるのは難しく、絶対的感性を持った方たちの特殊な世界なのでしょう。思い出すのが秘書をしていた時、会長の応接室にあったツボ。会長が台湾で購入した高価なツボがどうも怪しいと思った社長室長が鑑定士をこっそり呼んでみてもらったら実は贋作でありました。だけどそれを贋作だと会長に誰も進言することなく、会長も幸せにお亡くなりになりました。
投資は世界どこでも誰でも同じような価値基準があるものが売買のボリュームもあり手掛けやすいと思います。例えばビットコインは値上がりすると思いますが、一般の方に根付くまでにはもう少し時間がかかりそうです。一方、太古の時代から愛されてきた金は絶対的信頼感と世界の中央銀行がこぞって欲しがる点において「金利や配当がつかない」という発想は論外のアプローチです。先日も申し上げたように絶対量に限界があるものは価値が出るのは確実です。今、再び金相場がむっくり起き上がってきているのはしばし話題の中心となっておらず、相場に出遅れ感が強いこともあるでしょう。そして世界の不和に最も強いのが金であることも事実です。
最後にあげたいのが不動産。これも世界の誰もが欲しがる価値ある財産です。私もデベロッパーという仕事をする中で当地に於いて土地の価値が確実に上昇し、住宅建築が追い付かない現状を見る限り少なくとも今後3-5年間で20-30%程度の上昇があるとみています。特にこの数年、金利上昇で買い替えや新規購入を控え、我慢していた層が利下げのタイミングを見てよい不動産から飛ぶように売れるようになるのは確実でしょう。ただ、こちらは1億円あっても大したものは買えない、これが現状であり、格差社会の象徴なのかもしれません。
世の中、ぼろい儲け話はなく、あっても多額の資金がいるなどの条件があります。ビットコイン狂騒曲はある意味、若者がスマホで買える射幸心を煽ったともいえるでしょう。そんなに簡単に儲けられたら皆さん、仕事をしなくなるのでほどほどが良いのだと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年4月2日の記事より転載させていただきました。
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