マイナス面としては「日本には防衛輸出の実績があまりない」と指摘。 しかし、「日本は米国と協力してきた長い歴史があり、オーストラリアと同様、装備の大部分が米国製だ。日本はまた、英国およびイタリアと提携したグローバル戦闘航空プログラム (GCAP)による主要な国際能力開発プログラムの分野にも参入している。おそらく、インド太平洋における均衡連合を拡大するための次のステップは、もがみ型を中心に構築された日豪フリゲート計画を通じたものとなるだろう」との見通しを述べた。

装備の大部分が米国製ならばいいのですが、レーダー、ソナー、対艦ミサイルなどは国産です。これを著者がどれだけ知っているのか。ジャイロコンパスや無線機もそうですが、価格が国際的にかなり高い。性能、コスト、兵站を考えれば、米国ないし欧州製でしょう。

特にレーダーとソナー、システム統合は問題です。潜水艦商戦で負けたもの、センサー類の低性能が原因です。そのへんはオーストラリア当局はよく分かっているでしょう。

次期フリゲートをめぐって、オーストラリア政府は既に韓国にアプローチを始めたようだ。

おそらくは韓国の方が優勢でしょう。輸出に慣れています。欧米メーカーとの協業にも慣れています。日本の場合、当局もメーカーも「共通言語」で話すことができない。世界では当たり前の常識を知らずに、奇形化した日本国内の閉じた世界で暮らしているからです。つまりは非常識なわけで、その段階でかなり不利です。

Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。

次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用

【本日の市ヶ谷の噂】 陸幕はAMVの国産化で、エンジン、トランスッション含めたパワーパック、装甲板、多数のコンポーネントが輸入にもかかわらず、AMVは98%の国産化が可能と素人丸出しの強気の認識、との噂。

編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2024年3月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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