■卵巣に「リトル・モンスター」がいた!
シェルドン医師は、カルさんの窮状に真剣に耳を傾け、超音波検査を提案してくれたという。保険適用でも1回2万円するというが、カルさんは、わらにもすがる思いで検査の予約を入れた。その結果、カルさんはPMSだけでなく、そのうちの2~5%にあたる重症型、PMDD(premenstrual dysphoric disorder:月経前不快気分障害)であることが判明した。
さらに卵巣を精査したところ――なんと、片方の卵巣にフロリダオレンジ大の包嚢を発見。しかも、数本の“髪の毛”と“歯”まで生えているではないか!
卵巣皮様嚢腫だった。teratomaと呼ばれているが、ギリシャ語の怪物が語源のため、「リトル・モンスター」の異名を持つ。この包嚢は、胚細胞の段階ですでに形成されるというからおぞましい。髪の毛や歯のほか、筋肉まで形成されることがあるようだが、詳しい原因は不明。卵子と卵子の自家受精による結果ではないかとする説もある。
ただ、実はこの奇形腫、さほど珍しくないという。卵巣の異常肥大のうち、約20%を占める。良性の腫瘍といわれるが、まれに悪性化してがんになる可能性もあるため、注意が必要とのことだ。
急展開に驚きつつも、緊急手術に踏み切ったカルさん。幸い、包嚢は良性だったため、今後の妊娠にも、まったく問題ないという。
現在のカルさんは、にっくきモンスターを退治した経験を生かし、ジャーナリストとしてウィメンズヘルスの啓蒙に関わっているそうだ。これからの活躍に期待したい。
(文=佐藤Kay)
参考:「Daily Mail」、「Womens Health」、ほか
※当記事は2018年の記事を再掲しています。
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提供元・TOCANA
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