■新たな遺体

 1991年3月18日、メアリーとスーザンの遺体が遺棄された住宅街内からはかなり離れた場所にある学校の前の道路脇で、シャーリー・ウィリアムズという名の娼婦の遺体が発見された。2人とは異なりシャーリーは41歳の黒人。背後から銃で何発も撃たれ血まみれで仰向けの状態で、眼球は切り取られていた。また遺体の近くに空になったコンドームの袋が落ちていた。遺体には彼女のものではない陰毛が数本ついていたが、目立った遺留品はなし。メアリーとスーザン殺しと同一犯の仕業だということは明らかだった。

 しかし、シャーリーの場合、メアリーとスーザンとは異なり目の回りにいくつもの切り傷が残されていた。あせりながら急いで眼球を切り取ったようにも見えた。

 こうして、連続犯がオーク・クリフの娼婦を人種関係なくターゲットにしていることが判明し、娼婦たちはストリートから離れた。警官は娼婦への聞き込みを強化した。

 そんな中、ブレンダ・ホワイトという娼婦が警察に重要な証言をした。「白人男性が運転するステーションワゴンにピックアップされたことがある」「がっちりとした体格だったけど、白髪まじりだったから年齢はいってると思う」「男は南の方に自分の家があるからそこでやろうと言い出した。でも私はテリトリーであるこの場所を離れるのは危険だと思ってるし、なんだか嫌な予感がして絶対に嫌だと拒否した。すると、男は激怒し“オレは娼婦が大嫌いなんだ!”“殺してやる!”と叫びながら彼女に手をかけた。身の危険を感じたので催涙ガスをかけて逃げた」「この男が犯人のような気がする」と主張したのだ。

 警察はこのブレンダの証言が、最初の殺されたメアリーと一緒に買われ逃げ出したというヴェロニカが証言した男と一致する箇所があると注目。「白髪まじりの男」「豹変して別人のように激怒する男」は恐らく同一人物だろうと見て、ヴェロニカが逃げ込んだという知人宅の住所を再度チェックした。するとシャーリーの遺体が発見された場所の近くにあることが判明。何かしらの手がかりがあるかもしれないと改めてヴェロニカの証言を洗い直した。

 警察はヴェロニカが助けを求めたという知人で、トラック運転手のアクストン・シンドラーという男性に聞き込み調査を行った。ヴェロニカは「知人は犯人が誰なのか知ってると言ってた」と証言したが、アクストンは「彼女は助けたけど、そんなことは言っていない」と否定。気が弱い小柄な男のアクストンは殺人事件には無関係だろうと警察は判断したが、念のため運転免許証のコピーをとり身元を確認した。免許証の住所を調べてみると大家の名前が出てきた。

 同じ頃、偶然にも警察では「昔付き合ってた男が連続殺人鬼だと思う」という匿名電話を受けていた。男の名前はチャールズ・オルブライト。アクストンの大家と同一人物だった。強盗、窃盗、未成年への性的暴行という犯罪歴のあったチャールズのマグショットを見て、警官たちは驚いた。ヴェロニカとブレンダが説明した犯人の外見が、そのままぴったり当てはまっていた男だったからだ。

 警官はブレンダにチャールズの写真を見せ、この男かと聞いた。ブレンダは「間違いない」と証言した。ヴェロニカの方は警察署に呼び、無関係の5人の男性の写真にチャールズの写真を混ぜて「この中にメアリーを殺した男はいるか?」と質問。ヴェロニカは泣き叫びながら「こいつだよ!」とチャールズの写真を指さした。

 納税証明書からオーク・クリフの住宅街に3件の物件を持つ男だと判明。物件の1つはシャーリーの遺体発見場所に、もう2つはメアリーとスーザンの遺体発見場所にとても近かった。

【閲覧注意】女の眼球をくり抜きまくった凶悪連続殺人鬼チャールズ! 娼婦嫌悪と剥製制作、謎のコンドーム…
(画像=チャールズ・オルブライト。画像は「Murderpedia」より引用,『TOCANA』より 引用)