■DNA修復への期待

また今回の発見は、チョルノービリの線虫が放射線に対してより耐性があるというわけではなく、放射能環境が線虫の進化を抑圧しなかった結果だという。

研究者は、DNAの損傷に対してより感受性の高い線虫株を使用することで、発がん性物質の影響について知ることができると期待している。この分析が進めば、がんの遺伝的なメカニズムが明らかになるかもしれないそうだ。

これらの線虫がどのくらい立ち入り禁止区域にいたか、あるいはこの祖先がどの程度の放射線を受けたかなど、詳しいデータはない。しかしながら、環境中の危険因子に対する人間の自然変位について、より理解を深めることができると考えられている。

(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)

提供元・Sirabee

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