チョルノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所の事故で放射能汚染された地域から、放射線物質に耐性があるとみられる線虫が発見された。研究者らは、人類のガン研究やDNA修復に役立てられるのではと期待しているという。『DailyMail』『The Indepndent』がレポートした。

■放射能レベル危険値でも生物は繁殖

1986年4月26日、旧ソ連ウクライナ共和国の北辺に位置するチョルノービリ原子力発電所の爆発により、放射性物質が漏出。周囲の村や町は廃墟と化し、被ばく者や後遺症がある人も含め死傷者は数十万人ともいわれる。

そして約40年が経った現在も放射能レベルはいまだ危険値だが、野生動物は半径30キロメートルにわたる立ち入り禁止区域内で、繁殖しているという。

研究者らはこの区域にカメラを設置し、野生動物の生息状況について監視を続けてきた。これまでに、オオカミ、オオヤマネコ、ネズミ、イノシシ、シカ、馬などの多様な野生動物が、地域を徘徊する様子が確認されているそうだ。