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シリウスDASH3✕2ターボを追加、劇中車としても活躍
根強い人気は得るも報われず…末期には2.6リッターターボ化
シリウスDASH3✕2ターボを追加、劇中車としても活躍
映画「キャノンボール2」(1984年)ではジャッキー・チェンが駆り、貨物機ショート・スカイバン(これもマニアには嬉しいレア機)から降り立つ序盤から見せ場を作る活躍。
石原プロの刑事ドラマ、「ゴリラ・警視庁捜査第8班」(1989-1990年)でも主人公の伊達刑事(舘ひろし)の愛車として活躍、劇中車と同じガルウイングドア車が5台限定で販売されるなど、話題性は高かったものです。
モータースポーツでもグループAレース(JTC・全日本ツーリングカー選手権の初期にはBMW 635CSiやR30スカイラインRS、フォード シエラと戦い、1986~1987年にかけ3勝を上げ、グループAラリーでも中近東選手権でシリーズチャンピオンになるなど活躍。
性能面でも1984年6月には名機4G63ターボの前身となる2リッターSOHC3バルブターボ、「シリウス(後にサイクロンへ改名)DASH3✕2」を搭載、グロス200馬力でR30スカイラインターボC(205馬力)に匹敵する高性能を得ます。
エンタメやモータースポーツで活躍、性能的にも日本を代表するスポーツクーペとして、スタリオンは大いにその名を轟かせました。
根強い人気は得るも報われず…末期には2.6リッターターボ化
ただ、瞬間的には注目されて、そのインパクトから根強いファンを生むスタリオンですが、1990年まで8年も販売された割に、なんとなく影が薄く…あまり売れてはいなかった印象です。
実際、年間数千台規模の販売台数にとどまる日本向けの5ナンバー車を続けても採算が合わなかったようで、1988年4月には翌年の税制改正で税金が安くなるのを見越してか、海外仕様と同じ2.6リッターターボ+ワイドフェンダーの3ナンバー車(※)に統一されました。
(「ゴリラ」の劇中車になったのも、この2.6GSR-VR)
しかし、その頃にはトヨタのスープラ(当時はA70系)が3リッターDOHCターボを積み、翌1989年には名機RB26DETTを積むBNR32スカイラインGT-R(BNR32)が発売されますから、大排気量ターボのスポーツクーペはもう珍しくありません。
セリカXXやスープラのように、5ナンバーの2リッター車と3ナンバーの2.6リッター車を併売していればもう少し人気が持続したかもしれませんが、いずれにせよ1990年には後継のGTOが登場するので、あくまで「つなぎ」として存続していたような形でした。
2000年代、後に映画化もされる漫画「SS」でグループBスタリオンの存在が広く知られると人気は再燃しますが、AE86などと違ってもともと販売台数がそう多くはなかったこともあり、中古車もあまり流通していなかったのは残念です。
決して後世まで記憶に残る大きな何かがあったり、21世紀に中古車人気が爆発するような事もなかったスタリオンですが、1980年代を代表する国産スポーツクーペの1台だったことだけは、間違いありません。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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