■『地球の歩き方』担当者は「現在も危険」

サングラスをかけた客引きの男性は「おい、日本人か? お前が持っている、あの有名な黄色いガイドブックを見せてくれないか?」と、旅人Aさんらに声をかける。

友人がバッグから『地球の歩き方 エジプト』を取り出して差し出したところ、男性はページをパラパラとめくり、ニヤリと笑って「この写真、おれだ」とひと言。

思わず目を皿にして男性と見比べ、驚きの声を上げた2人を見て、男性は満足げな様子に。しかし2人は、下部に書かれた「ラクダの客引きはかなりしつこい」という脚注に気づいてしまったのだ。

エジプトで遭遇した客引き、ガイド本の掲載に大喜びだが… 完全に「知らぬが仏」と話題
(画像=『Sirabee』より引用)

男性に真実を伝える選択もあったが、「注釈の本当の意味は、知らせない方が幸せなのではないだろうか」と本人の目の前で(日本語で)会議を実施した結果、「沈黙」の道を進むことに。

なお、男性の写真は撮らせてもらったが、ラクダ乗りのサービスについては丁重にお断りしたそうだ。

当時の心境について、旅人Aさんは「帰りのバスでは友人と『世の中には知らない方が良いこともあるよね』と話し合いました。この事実は本人に知らせず、墓まで持っていこうと思います。ピラミッドだけに」と、エジプシャンジョークを交えつつ、振り返っている。

エジプトで遭遇した客引き、ガイド本の掲載に大喜びだが… 完全に「知らぬが仏」と話題
(画像=『Sirabee』より引用)

続いては、話題の男性を含むエジプトの客引き事情について「地球の歩き方」担当者に話を聞くことに。

しかし、今回話題となった写真が使用されているのは『地球の歩き方 エジプト 2010〜2011』であり、やはり10年以上も前のガイドブック詳細について、同社よりコメントは得られなかった。

なお、担当者は「コロナ禍を経て、旅行等が再開した今現在もラクダに関するトラブルはよくありますので、旅行者の皆さまにはくれぐれもご注意ください、と注意喚起をお伝えさせて頂ければと存じます」とも呼びかけており、ピラミッド周辺は相変わらず「修羅の国」となっているようだ。

エジプト旅行の際は、ノリノリの笑顔とえげつない客引きのギャップに騙されないよう、気をつけたい。