■ピラミッド周辺の客引き、逞しすぎる…
旅人Aさんが件の男性と出会ったのは、2010年3月4日のこと。当時、大学生だった旅人Aさんは春休みを利用した一人旅の最中で、日本人宿で意気投合した友人と共に、ピラミッド観光へ向かったのだ。
なお、現地の客引き集団のバイタリティーは相当なもので、旅人Aさんは「現在はどうか分かりませんが…」と前置きしつつ、「当時はピラミッド入場ゲート前から詐欺まがいの客引きが横行していました」と振り返る。
ざっと挙げてもらっただけでも「今日はピラミッドは休みだ!」「ここからピラミッド入口まで何kmもある。ラクダで案内してあげるぞ」(実際は20m先に入口がある)「自分は教師だ、ぜひ学校を見に来てくれ」(旅行会社に連れていかれる)など、多種多様な誘い文句がズラリ。
旅人Aさんは「旅行者の無知に付け込む、悪質な客引きの見本市のような場所でした」と忌憚のない、火の玉ストレートな感想を口にしていた。
特に「ラクダとの記念撮影」を推してくる客引きが多かったそうで、「私と友人も10秒に1人のペースで『ラクダ乗ろうよ!』という勧誘を受けていました」というから驚きである。
そんな客引きらに「ノーサンキュー」と応じるにも疲弊し切ったピラミッド観光終盤。旅人Aさんと友人の元に、近づいてくるひとつの影が…。そう、彼である。