目次
初心者向けの解説と選び方
おすすめの現行MT車TOP5
初心者向けの解説と選び方
MT車はAT車と構造が異なるほか、運転方法も違います。MT車ならではの魅力もあるため、どのような車なのか理解しておきましょう。
また、MT車の選び方も解説するので、どの車種にしようか迷っている場合は参考にしてみてください。
AT車とMT車の違いは?
MT車(マニュアルトランスミッションを採用している車)と、AT車の大きな違いは、運転手が変速を手動で行うか否かということ。MT車は速度(エンジン回転数)に応じて、使用するトランスミッションのギアを運転手が手動で選択・切り替える必要があります。
MT車の運転に必要な免許
MT車はクラッチペダルを踏んだり、シフトレバーを操作したりする必要があるため「MT免許」が必要です。操作方法が異なるため、MT免許とAT限定免許では、実技のカリキュラムに若干の違いがあります。
また、MT免許保持者はMT車とAT車どちらも運転することができますが、AT限定免許保持者はMT車を運転することができません。
AT限定免許保持者がMT車を運転する場合には、自動車教習所で限定解除講習を受けるか、運転免許試験場で一発試験を受けて限定条件を解除する必要があります。
なお、現在新車で購入できるMT車は減少傾向にあることも影響し、初めて免許を取る人の8割ほどがAT限定免許と言われています。
MT車を選んだほうがよい理由
MT車には以下の魅力があります。
- 運転の楽しさを実感できる
- 誤発進による暴走事故を防げる
- ガソリン代を抑えられる
続いて、MT車の魅力を具体的に解説します。
運転の楽しさを実感できる
MT車は車速に合わせてシフトレバーを選択しつつ、足でクラッチ操作を行うため車を操っている実感を得られます。また、ドライバーの運転技術も重要なため、上達していくことも運転の楽しさを実感できる理由の1つです。
誤発進による暴走事故を防げる
MT車はクラッチ操作が必要であり、アクセルとブレーキを踏み間違えても誤発進による暴走事故を防げます。AT車は、クラッチ操作が不要なため、アクセルを踏むと車は急加速します。
一方、MT車はクラッチ操作が必要であり、アクセルとブレーキを踏み間違えるとエンストするため誤発進による暴走事故を防ぐことが可能です。ただし、誤発進を完全に防げるわけではないため、十分注意してアクセル操作を行いましょう。
ガソリン代を抑えられる
MT車はAT車より燃費がよい傾向にあるため、ガソリン代を抑えることが可能です。AT車は、意図せぬところで回転数が上がりやすい特徴があります。たとえば、加速する際に予想以上に回転数が上がるようなケースです。
一方、MT車は状況に応じた回転数の調整ができるため、AT車より燃費がいい特徴があります。ただし、燃費を意識しすぎて回転数を抑えると、エンジンの調子が悪くなる可能性があるため注意が必要です。
車両本体価格はAT車よりも安く設定されている傾向にあり、購入費用も抑えられます。また、車の構造がAT車ほど複雑ではないため、故障のリスクが少ないメリットもあります。
MT車のボディタイプの種類
車のボディタイプとは車の形状のことであり、それぞれ特徴が異なります。MT車を選ぶ際は、ボディタイプを考慮して購入するとよいでしょう。
続いて、各ボディタイプの特徴を紹介します。
セダン
セダンとは、以下が独立している4ドアのボディタイプのことです。
エンジンルーム
客室
トランクルーム
車内の静粛性が高く、タイヤが路面の凸凹を乗り越えた際に発生する騒音をが少ないため、運転時のストレスを軽減できます。
また、車の重心が低く安定感があるため、安心して運転できます。前方や後方からの衝撃に強い構造になっていることも、安心して運転できる理由の1つです。
セダンのMT車は、安心して運転できる車が欲しい方におすすめです。
なお、スバル インプレッサSTIや、三菱 ランサーエボリューションなどの中古車にMT車が設定されています。
クーペ
クーペはセダンと形状が似ているものの、よりスポーティーな外観と走行性能があるボディタイプです。車高が低いため安定感があるほか、加速時やコーナリングなどで高い走行性能を発揮する特徴があります。
ただし、運転席と助手席の2ドアしかないため、2名以上で乗車する場合は乗り降りする際に手間がかかるでしょう。クーペのMT車は、スポーティーな外観と走行性能が高いMT車が欲しい方におすすめです。
なお、トヨタ 86やマツダ RX-8などの中古車にMT車が設定されています。
コンパクトカー
コンパクトカーは、普通車の中でもボディサイズが小さく、燃費性能がよい特徴があります。普通車の中で比較的税金も安いため、維持費を抑えることが可能です。
また、狭い道路や信号が多い日本では、非常に運転しやすいサイズといえます。排気量は1,500cc程度と、適度なパワーも持っているため長距離運転による疲労を抑えられます。コンパクトカーのMT車は、運転がしやすく低燃費なMT車が欲しい方におすすめです。
なお、スズキ スイフトスポーツや、マツダ アクセラスポーツなどの中古車にMT車が設定されています。
ステーションワゴン
ステーションワゴンはセダンをベースにしており、トランクルームにゆとりがあるボディタイプです。ゴルフ用品やキャンプ道具などの大きい荷物も載せられるため、アウトドア時に活躍します。
また、車高が低く安定感があるため、横風の影響を受けにくい特徴もあります。ステーションワゴンのMT車は、荷物を多く載せて車を運転したい方におすすめです。
なお、トヨタのカローラツーリングや、スバルのレガシィツーリングワゴンなどの中古車にMT車が設定されています。
ミニバン
ミニバンとは、ワンボックスでシートが3列あるボディタイプのことです。大人数が乗車できるほか、便利なスライドドアや乗り降りする際に役立つ低床性のため、ファミリーカーとして大活躍しています。
ただし、ユーザーは利便性の高さを求めてミニバンを購入しているため、MT車が設定が少ない傾向にあります。ルノー グランカングーや、三菱 デリカスペースギアの中古車にMT車が設定されているため、参考にしてみてください。
ミニバンのMT車は、大人数でドライブがしたい方におすすめです。
SUV
SUVとは、“Sport Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)”の略であり、日本語に訳すとスポーツ用多目的車のことです。タイヤが大きく、最低地上高が高い特徴があります。座面高も高く運転席からの見晴らしがよいため、運転しやすいでしょう。
SUVには、スタイリッシュかつ街乗りを重視した「クロスオーバーSUV」と、悪路での走破性が高い「クロスカントリーSUV」の2種類があります。
以下のサイズでも分類されているため、自分の用途に合ったSUVを購入できます。
コンパクトSUV
ミドルサイズSUV
フルサイズSUV
SUVのMT車は、街乗りとアウトドアの両方を楽しみたい方におすすめです。なお、スバルのフォレスターや、マツダのCX-30などの中古車にMT車が設定されています。
軽自動車
軽自動車は以下の規格の車であり、日本で最もサイズが小さいボディタイプです。
全長 3.4m以下
全幅 1.48m以下
全高 2.0m以下
排気量 660cc以下
乗車定員 4人
狭い道路でも運転しやすいため、運転技術に自信がない方でも安心して運転できます。また、普通車より税金が安く低燃費のため、維持費も抑えられます。
軽自動車のMT車は、運転技術に自信がない方や維持費を抑えたい場合におすすめです。なお、スズキのジムニーやハスラー、ダイハツのコペンなどの中古車にMT車が設定されています。
おすすめの現行MT車TOP5
おすすめの現行モデルのMT車のTOP5は以下のとおりです。
- 5位 スバル BRZ
- 4位 トヨタ GRヤリス
- 3位 トヨタ スープラ(GRスープラ)
- 2位 日産 フェアレディZ
- 1位 ホンダ シビックタイプR
- 上記の中には、エンストの予防やスムーズな発信をサポートしてくれる車種もあるため、MT車の操作に不安がある方でも安心して運転できます。
続いて、それぞれの車種の特徴や魅力を紹介します。
5位 スバル BRZ
日本を代表する2ドアクーペの1台になりつつあるスバル「BRZ」。
2021年に登場した2代目モデルは、誰もが楽しめるFRスポーツカーへ進化しています。初代に引き続き、6速MT採用グレードが用意されていることにも注目です。
トルクが増して走りやすさを実現した2,400ccの水平対向エンジンとのパッケージングは、高回転域までアクセルを踏んでも滑らかな加速を味わえます。加えて、シフトチェンジのレスポンスも優秀で、誰にでも扱いやすいマニュアルトランスミッションです。
- スペック
- 全長(mm):4,265
- 全幅(mm):1,775
- 全高(mm):1,310
- 車両重量(kg):1,260~1,280
- 乗車可能人数(人):4
- 燃費(WLTCモード、km/L):11.9~12.0
4位 トヨタ GRヤリス
トヨタ「GRヤリス」は、“モータースポーツ用の車両を市販化する”発想で開発したスポーツモデルです。
主要グレードの「RZ」に採用されている6速MTは「iMT」(インテリジェントマニュアルトランスミッション)とも呼ばれています。
シフトレバー周辺に用意したスイッチを押すと機能が発動する仕組みとなっており、クラッチペダルやシフト操作を行うとエンジンの回転数を適切な状態に調節できるのが特徴です。
シフトチェンジが苦手な人をアシストしてくれるインテリ機能は、運転中にエンストしてしまうなどのミスを減らす効果が期待できるでしょう。
- スペック
- 全長(mm):3,995
- 全幅(mm):1,805
- 全高(mm):1,455
- 車両重量(kg):1,280
- 乗車可能人数(人):4
- 燃費(WLTCモード、km/L):13.6
3位 トヨタ スープラ(GRスープラ)
「スープラ」(GRスープラ)は、トヨタを代表する2ドアスポーツクーペです。
2019年に17年ぶりの復活となった現行モデル。登場直後は8速ATを採用したグレードのみが設定されていたものの、2022年の一部改良で6速マニュアル搭載グレードが追加されています。
「iMT」と呼ばれるシステムを採用し、ドライバーがシフトチェンジ・クラッチペダルを操作するのに合わせて、最適なエンジン回転数へ調節しエンストの予防やスムーズな走行を実現しています。マニュアルトランスミッション車の操作に抵抗がある人でも、不安を軽減できるパッケージングです。
スープラは、高級価格帯のスポーツカーでもMTでの心地よい運転感覚を楽しみたい人におすすめです。
- スペック
- 全長(mm):4,380
- 全幅(mm):1,865
- 全高(mm):1,295
- 車両重量(kg):1,520
- 乗車可能人数(人):2
- 燃費(WLTCモード、km/L):11.
2位 日産 フェアレディZ
日産のスポーツカーラインナップの1台である「フェアレディZ」は、2022年にリニューアルされて新たな歴史を歩み始めました。
現行モデルでは、新たに9速AT仕様が用意されたことも話題となりましたが、一方で6速MTを採用したグレードも用意されています。
405馬力を発揮する強力な3,000ccツインターボエンジンのパフォーマンスを、ATではなくMTで引き出せることに魅力を感じてもよいのではないでしょうか。
- スペック
- 全長(mm):4,380~4,410
- 全幅(mm):1,845~1,870
- 全高(mm):1,315
- 車両重量(kg):1,570~1,590
- 乗車可能人数(人):2
- 燃費(WLTCモード、km/L):9.5
1位 ホンダ シビックタイプR
ホンダの4ドアスポーツセダン「シビックタイプR」は、2022年に新型モデルが誕生。昨今販売されている車種では、珍しい6速マニュアルトランスミッションのみの設定が特徴です。
310馬力を発揮するエンジンパワーに対応すべく、新設計のトランスミッションが採用されました。レバー自体の高剛性化とガタつき要素を取り除き、スムーズなシフトチェンジが可能。加えて、クラッチのフライホイールに軽量化を施したことで信頼性もアップしています。
- スペック
- 全長(mm):4,595
- 全幅(mm):1,890
- 全高(mm):1,405
- 車両重量(kg):1,430
- 乗車可能人数(人):4
- 燃費(WLTCモード、km/L):12.5