バカシ・ボーイズの再来か?

 オマウメとマンデーは、イカンダという男性(現在服役中)が率いる武装強盗団の一員として知られていた。住民らによると、彼らは客引きに紛れて住民や商人から貴重品を奪ったという。

 彼らが焼き殺された事件を「バカシ・ボーイズの再来」と考える人々もいる。バカシ・ボーイズとは、ナイジェリア南東部を拠点とする若者たちの自警団だ。彼らはナタや銃で武装し、黒魔術の道具を身に付けている。その活動内容は、強盗や儀式殺人、誘拐、汚職などの加害者や容疑者を捕らえて殺害することだ。彼らは黒魔術によって悪人を識別するとされる。

 アナンブラ州では、1998年にバカシ・ボーイズが結成されて以降、同地域における犯罪が大幅に減少した。そのため、バカシ・ボーイズに対する住民らの支持は根強い。一方、バカシ・ボーイズは現在「アナンブラ自警団サービス」と名称変更し、活動を大幅に縮小した。

【閲覧注意】武装強盗団の兄弟が生きたまま焼かれる! “ジャングルの正義”が法と秩序を脅かす現実=ナイジェリア
(画像=画像は、「theYNC.com」より,『TOCANA』より 引用)

今回の事件を受けて、アナンブラ警察司令部は「ジャングルの正義」を非難し、兄弟を焼き殺した容疑者らは武装強盗だと述べた。ジャングルの正義(モブジャスティス)とは、“正義”を掲げた民衆が犯罪者を集団でリンチする超法規的な行為だ。その背景には、警察や司法に対する国民の怒りや憎しみ、不満などがあるとされる。

 警察広報官(PPRO)のトチュクウ・イケンガ氏は、「警察長官アデレミ・アデオエはこの行為を非難し、警察が必要な行動、特に適切な調査を実施するため、いつでも刑事犯を最寄りの警察署に連れて行くよう、国民に改めて呼びかけました。そのため、アデオエは事件の徹底的な調査を命じました」と述べた。一方で、オマウメとマンデーが武装強盗団のメンバーであるとし、オニチャの商店街に対する攻撃や商人からの強奪などを行ってきたと補足説明した。