●シェラ・デ・コブレの幽霊(1964年)
「世界一怖い映画」として伝説的な一本。劇場未公開作で、日本ではテレビ放送はあったものの、長らく幻の作品といわれていた。現在、フィルムは世界で2本しか確認されていない。そんな貴重作が、なぜかアマゾンプライム・ビデオで観ることができる。吉田氏も「この作品が観られるとは驚いた。絶対に見てほしい」とプッシュ。
●金星怪獣の襲撃 新・原始惑星への旅(1968年)
ソ連製作の映画『火を噴く惑星』(1962年)の版権をB級映画の帝王と呼ばれたロジャー・コーマンが取得。その後、二度の改変が加えられたのが今作である。一度目の改編作は『ゴッドファーザー』『地獄の黙示録」などで知られるフランシス・F・コッポラが編集し、追加シーンを加えた『原始惑星への旅』。
二度目の今作は『ペーパームーン』などで知られるピーター・ボグダノヴィッチが編集を行った。舞台は金星で、セクシーな女性や怪獣が登場するが、画質が非常に荒く、特撮も同年に公開された『2001年宇宙の旅』と比べればかなり見劣りする。しかし、それが味わい深いとさえ思えてくる一作なので、ぜひ視聴してほしい。
●子どものための花と漫画(2019年)
子ども向けのアニメで、色や形、数字を学ぶのに役立つ、という触れ込みで放送されているシリーズ作品。1話3分ほどだが、ボーリングのピンで色を覚える、車で色を覚えるなどのテーマで、ひたすら短調な絵が続く。提供は「SeeZis Media」という会社で、ネットで調べてみるとチェコのプラハにあるマーケティング企業とのこと。本当にこの会社が関わっているのかはわからないが、作風などを見る限り、外国製であることは間違いない。
「誰が見るんだ」と思ったが、アマゾンプライム・ビデオ内のレビューでは「意味不明な動画 子どもはなぜか興味深そうに見てた」「大人の私はよくわからないが、子どもには惹きつけられるなにかがあるらしく、夢中で見てた」などと報告がされている。ちなみに、これまた謎にシーズン2まであるので、隠れたヒット作なのかもしれない。
●中支那鉄道 建設の記録(1937年頃)
鉄道省(旧国鉄)が中国に鉄道網を築いていく一部始終を記録したドキュメンタリー。戦時中の模様を写しており、明らかなプロパガンダ映画なのだが、当時の様子が垣間見られる貴重な映像になっている。さらに、国鉄9600形蒸気機関車やC51形蒸気機関車など、当時の機関車の姿が撮影されているので、鉄道マニアにとってはたまらない映像なのだそう。
ちなみに、この映画を製作した同盟通信社は戦後に解散し、通信社としての業務が共同通信社と時事通信社に引き継がれている。ただ、同盟通信社が製作した同作がなぜアマゾンで配信されているのかは謎だ。同社の製作作品も、アマゾンではこの1本のみ。
●シャーケンシュタイン(2016年)
バカ映画ファンには定番のサメものであるが、あきらかにナメた内容で「時間の無駄」というレビューが目立つ。サメとフランケンシュタインが合体したシャーケンシュタインが物語のキモだが、作りも合成もチープすぎて、近年の製作とはおよそ思えない。しかし、それが逆にマニア心をくすぐるのだから不思議だ。
今作の監督はバカ映画界の巨匠と名高いマーク・ポロニア。『猿の帝国 女囚戦記』『ビッグフットvsゾンビ』などのクソ映画を量産する彼にとっては、ナメたくらいが通常運転。役者もニヤニヤしながら演技していたり、サングラスにスタッフが映り込むなどグダグダなので、友人同士で酒を飲み、ツッコミながら見るのが一番楽しい方法だろう。
提供元・Business Journal
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