G-MARCH未満の大学でも、大企業へ就職できるのか
一方の就活生自体もG-MARCH以上、それ未満の学生で意識に差があるという。
「これは私が見てきた学生の傾向ですが、G-MARCH以上の学生は、就活へのモチベーションが高いです。基本的に勉強もサークル活動も両立させ、1、2年生の頃から就活を意識して行動する学生が多いですね。G-MARCH以上だけではなく、日東駒専や産近甲龍(京都産業、近畿、甲南、龍谷)も同じような学生が多めです。
ただそれ未満の偏差値帯の大学は、就活のモチベーションがG-MARCH以上クラスの学生と互角なのは、肌感で1~2割程度。残りは大企業狙いと豪語しつつも、就活にはあまり手を付けず、エントリーないし書類選考、適性検査で落ちているイメージがあります」(同)
また、G-MARCH以上の大学ほど就活に有利な土壌が整備されている面もあるという。
「G-MARCH以上の大学では、大企業へ就職した卒業生の情報がサークルやゼミを通じて入ってきやすいです。現在は個人情報保護の時代ですので、OB名簿を公表しない企業も多いですが、学生間で就活に関する情報は受け継がれているでしょう。
また、企業・金融機関や業界団体主催の寄付講座が、G-MARCH以上の大学で多数開講されている事実も無視できません。寄付講座とは、企業団体の社員がリレー形式で行う産学連携の講座。学生が社会を知るキャリア講義という形式をとっていますが、実質的には新卒向けの早期セミナーとなっています。そのため、お得に就活情報を吸収しやすいんですよ」(同)
大企業へ就職しやすいG-MARCH以上の大学では、次なる大企業内定者を出すための再生産の仕組みが整っているのだろう。ところで、G-MARCH未満の偏差値の大学の学生でも、大企業に就職しやすい例があるのかも気になるところだ。
「地方国公立大は、たとえ偏差値はG-MARCH未満だったとしても、あまり関係なく大企業へ就職できる学生が少なくないですね。地方国公立大は共通テスト5教科受験という大学が多く、適性検査のスコアも私大生よりは高めなので、企業側が抱く国公立大へのイメージは悪くありません。
また特定業界に強い伝統学部も、場合によっては大企業への就職がしやすいです。一例ですが、日大の理工学部は土木建築業界、立正大学地球環境科学部地理学科は観光業界に強く、業界からの評価も高め。ニッチな分野をしっかりと専攻し、特定業種にて能力を発揮できるというのはしっかりとした強みなんです。
そして、近年ではIT系学部・学科の躍進がすさまじいです。IT業界では、2010年代から人手不足が深刻であり、IT大手の企業でもG-MARCH未満のIT系大学は無視できない存在になりつつあります。偏差値や志願倍率も上昇傾向にあり、例を挙げますと東京情報大学の総合情報学部は、倍率が2010年に1.4倍だったのに対し、2021年には4.0倍に上昇しています。同系統の学部は、全体的に偏差値が5~15ほど上がっており、IT系学部を取り巻く状況は大きく変わりつつあるのです」(同)
G-MARCH以上の大学は大企業とのコネクションが深いなどの理由で、明確な学歴フィルターはなくとも、結果的にフィルターが働いたような採用結果になるようだ。とはいえ、G-MARCH未満の大学出身であっても、自分の専攻や興味関心を突き詰めれば、大企業への就職という一発逆転も夢じゃないだろう。
(取材・文=文月/A4studio)
提供元・Business Journal
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