スパーロック氏は撮影中の食事のログを公開しておらず、本人の告白によれば、スーパーサイズ・ミーの製作中も飲酒を続けていたことになる。
リリースから2年後、作品に興味を抱いたスウェーデンの大学の医師が、学生を対象にスーパーサイズ・ミーの再現を試みたが、スパーロック氏ほどの健康悪化に見舞われた生徒は皆無だった。
ガーディアンによると、臨床に加わったのは20代前半の健康な学生7人で、1ヶ月間ハンバーガーとピザ、ミルクシェイク、朝食に200グラムのベーコンを食べ続けた。
同紙が当時暫定結果として報じたところによると、学生らの体重は1ヶ月間で5~15%増加した。第一週目に「疲れて膨満感」を感じたが、スパーロック氏のように、終わりに向かって気分が落ち込むなどの変動はみられなかった。さらに、血液中の肝酵素の濃度や肝臓の脂肪含有量の変化も、「決して危険なものではなかった」という。
一方、肝臓の測定値は3週間目まで悪化したがその後好転するなど、順応する作用も観察された。コレステロールはほとんど影響を受けなかったとしている。
試験を主導したリンシェーピング大学のフレドリック・ニストローム医師は当時、スパーロック氏の極端な反応について、診断されていない肝臓の問題を抱えていたか、厳格なベジタリアンのガールフレンドが低エネルギーの食事を強要し続けていたことで、体がマック食に対応できなくなっていたのではないかと推察している。
今となっては信憑性に疑問符がつくものの、ワシントンポスト紙には、食習慣を考える教育ツールとしての価値や、全国の学校給食に焦点を当てた啓発的な側面を評価するコメントも投稿されている。