ファストフードに対する人々の見方を変えた衝撃作『スーパーサイズ・ミー(2004)』で知られるプロデューサー兼監督のモーガン・スパーロック氏(53歳)が23日、ニューヨークの病院で死去した。ワシントンポスト紙によると、家族はがんを患っていたことを明らかにした。

生涯で70本近くの映画やテレビドキュメンタリーを監督またはプロデュースしたスパーロック氏は、自ら実験台となる作風で知られ、スーパーサイズ・ミーのほか、バージニア州の刑務所で25日間過ごすプロジェクトを含む「30日間」シリーズなどを製作している。

アカデミー賞ノミネートを果たしたスーパーサイズ・ミーでは、運動を制限し、特大サイズを勧められたら断ってはいけないというルールのもと、1ヶ月間マクドナルドを食べ続けるプロジェクトを敢行。結果は衝撃的で、開始後まもなく嘔吐し、うつ状態に悩まされたほか、医師からは肝機能障害の警告を受けた。コレステロール値が急上昇し、最終的に体重が10キロ以上増加した。

映画とは無関係としているものの、マクドナルドは同年、スーパーサイズを段階的に廃止する計画を発表している。

ユーモアを交えた同作でマイケル・ムーアと並ぶモダンアメリカの問題に迫る社会風刺監督としての名声を得たスパーロック氏だが、#MeTooムーブメント真っ盛りの2017年、過去の性的不適切行為をブログで告白。「私も問題の一部」と述べ、2004年に設立したプロダクション「Warrior Poets」を辞任し、キャリアに事実上の終止符を打った。

この時、長い間うつ病を患い、13歳の頃から精神疾患に対処するためにアルコールに頼ってきたことも暴露。過去30年間で1週間以上酒を絶ったことがないと明かした。