人工衛星打ち上げ時に使用される多段式ロケット。そのアイデアは、ロシア人のロケット研究者コンスタンチン・ツィオルコフスキー(1857~1935)が考案したとされているが、実は歴史の表舞台にはあがることのない裏の歴史が隠されていた。

■多段式ロケットが描かれた「シビウ文書」の謎

ICBM(大陸間弾道ミサイル)の原型は500年前に開発されていた!? 謎の「シビウ文書」と開発者からの衝撃メッセージとは
(画像=画像は「Ancient Code」より引用,『TOCANA』より 引用)

 多段式ロケットとは、複数の噴射装置を持ち,下の段から次々と噴射させては切り離す方式のロケットのことだが、歴史ミステリーサイト「Ancient Code」によると、なんと、今からおよそ500年前に出版された書物に、すでに多段式ロケットの完璧なアイデアが書かれていたというのだ! 450ページからなるドイツ語の同書は「シビウ文書」と呼ばれている。

 同書は長きにわたり忘れ去られていた書物だったが、1961年にルーマニア・ブカレスト大学の科学教授Doru Todericiuが発見。同国シビウ市の古文書アーカイブに保管されていたことから「シビウ文書」と呼ばれるようになった。

ICBM(大陸間弾道ミサイル)の原型は500年前に開発されていた!? 謎の「シビウ文書」と開発者からの衝撃メッセージとは
(画像=画像は「Ancient Code」より引用 ,『TOCANA』より 引用)

 ロケット学に素養のあったTodericiuは、本書を一目見て、ただならぬ科学データと正確な挿絵に圧倒されたという。そして、さらに彼を驚かせたのは、大砲や弾道学など、当時の兵器に関する膨大なデータとともに、多段式ロケットの挿絵とデータも書かれていたことだ。

 後の調査により、シビウ文書は 1550年~1570年にコンラッド・ハースという人物によって書かれたものだと判明。歴史家によると、この人物はオーストリアかトランシルヴァニアで生まれ、後にハンガリー帝国とトランシルヴァニア公国でエンジニアとして働いていたという。