今年度末までにAIトレーニング向けクラウドを提供予定

Image Credit:FlexAI

FlexAIは2024年度末までに、最初の製品であるAIトレーニング向けのオンデマンドクラウドサービス「ユニバーサルAIコンピューティング」を提供開始する計画だ。

このサービスはFlexAIが新たに開発するソフトウェア基盤が、AIアプリケーションとGPUハードウェア基盤の間に≪中間層≫として介在する。そしてそれによって、AIアプリケーション開発者にふたつの大きなメリットを提供する。

2006年にサービス提供を開始したAmazon AWSや、それに続くMicrosoft Azure、Google Cloudは、クラウドアプリケーションの開発者に大きなメリットを提供してきた。それはデータセンターのハードウェア基盤の知識がなくてもアプリケーション開発を可能にすることだ。

しかし、いまのGPUデータセンター上のアプリケーション開発には、ハードウェア基盤の詳細な知識が必要だ。そこでTripathi氏は言う。

私たちは開発者によるAIコンピューティング基盤の利用を、汎用クラウドが20年かけて到達したのと同じレベルの簡便さに引き上げたいと考えています。

引用:TechCrunch

そしてこれが第2のメリットを可能にする。このソフトウェア基盤の利用によって、GPUがAMDのものであっても、Intelのものであっても、もちろんNVIDIAのものであっても、同じようにアプリケーション開発ができるのだ。

これはGPUのシェアを拡大したいAMDやIntelにとって大きなメリットをもたらす。そこでFlexAIは、AMD、Intel、Amazon AWS、NVIDIAと提携した。

強風ふきあれるAIチップビジネスの台風の目になる

NVIDAのGPU不足に全世界のAIアプリケーション開発者が悲鳴をあげているいま、FlexAIの「ユニバーサルAIコンピューティング」は、NVIDIA、AMD、Intelマーケットシェア再編のきっかけになる可能性を秘めている。

またGPUデータセンター基盤におけるAmazon AWSのようなソフトウェア基盤を提供する先行プレイヤーとしての可能性にも注目だ。Amazonとのパートナーシップの行く末はどうなるのだろうか。

このふたつの意味で、FlexAIは強風ふきあれるGPUビジネスの台風の目になるに違いないだろう。

しかし現時点ではGPUハードウェア基盤自体をパートナーに委ねているFlexAIは、自前のハードウェア基盤の構築を目指している。これについてTripathi氏は最近のビジネスモデルのトレンドにもとづいて、GPUチップを担保にする融資による資金調達を行う意向だという。

OpenAIのAltman氏によるAIチップ半導体産業再構築の目論みにしても、AIチップビジネス台風の進路から目が離せない。

参考・引用元:
FlexAI
GlobeNewswire

文・五条むい
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