SQ(社会的知性)が、社会における「頭の良さ」
―――SQ(社会的知性)について教えてください。
心理学者のダニエル・ゴールマン氏が提唱した、人間にとって最も重要な頭の良さを示す概念です。他者の思考を読んで信頼を築き、他人を動かす能力をSQ(社会的知性)と言います。IQはSQの副産物であり、SQこそが本当の知的能力であるとゴールマン氏は主張しています。
―――SQを向上させるためには何をすればいいのでしょうか。
(以下、画像で示している)7つの基本的なスキルを実践することです。
安達裕哉さんの著書『頭のいい人が話す前に考えていること』より
特に若手ビジネスパーソンにとって重要なのは、「とにかく反応するな」「頭の良さは他人が決める」という2点です。
1つ目は、相手に反応する前にワンクッション置いて一度考えることです。
もう1つは、若い頃というのは学校を卒業したてなので、どうしてもIQのような、勉強ができることや論理的思考力が高いこと=「頭の良さ」と定義しがちですが、実際に社会に出ると、「頭の良さ」の基準が変わるということです。
学校で学んだ論理的思考だけではなく、相手への貢献度が高いか、相手の利益を考えられるかどうかで「頭が良い人だ」「仕事ができる人だ」と評価されるのです。
仕事というのは他人のためにやるものなので、他人に貢献しない人は「頭が良い」とみなされなくなります。
ここは学生と社会人との大きなギャップなので、若いうちから知っておくと非常に得をすると思います。
5月27日(月)18時公開の後編では、「話を聞けない人」とはどういう人なのか、コンサルに向いている人が面接時にすることなどについてお聞きしました。
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インタビュイープロフィール
安達裕哉(あだち・ゆうや)
1975年生まれ。筑波大学大学院環境科学研究科修了後、理系研究職の道を諦め、給料が少し高いという理由でデロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)に入社。品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事し、その後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのちに独立。現在はマーケティング会社「ティネクト株式会社」の経営者として、コンサルティング、webメディアの運営支援、記事執筆などを行う。また、個人ブログとして始めた「Books&Apps」が“本質的でためになる”と話題になり、今では累計1億2000万PVを誇る知る人ぞ知るビジネスメディアに。