マツダの業績悪化で、一時中断したのが惜しまれる
こうした画期的な初代ボンゴでしたが、排気量を1,000ccに拡大するなど改良を加えたものの、1975年3月までモデルチェンジもなく販売されて一旦終了、2代目まで2年半ほどのブランクを余儀なくされます。
1960年代後半から1970年代前半のマツダは、ロータリーエンジンの実用化と市販車の開発に労力を奪われており、基幹となる量販車種のファミリアもロータリーエンジン車がラインナップから外れてからはあまり力が入っていない状態。
さらには排ガス対策、オイルショックによる燃費対策へも注力を余儀なくされて、ボンゴに手が回らないまま、排ガス規制にエンジンが対応できる期限を迎えてしまった…ということでしょう。
しかしその間に、トヨタからハイエースやミニエースなどが、日産からもサニーキャブやチェリーキャブが登場し、1970年代に入ってそれらの新型やモデルチェンジによって差をつけられたのは、とても惜しいことです。
フルキャブオーバー1BOX車の代名詞「ボンゴ車」は残り、ボンゴ自体も1977年にはトラックが、翌年にはバンとワゴンも2代目が登場、人気になったものの、空白期間がなければ、業界最大手の標準モデルとして、さらに発展できたかもしれません。
初代ボンゴはそれだけ革命的で、登場時点ではライバルに大きく差をつけたクルマでした。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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