創業者兼CEOの野望、社名に秘められた想い

前述の気候テックにいち早く目を付け、Fortyguardのビジネスにおいて大きな転換を牽引したのが、同社の若き創業者兼CEO・Jay Sadiq氏だ。

FortyGuard設立以前に別の企業を経営していたという同氏は、2015年に米ビジネス誌Entrepreneurにて中東で最年少のエグゼクティブディレクターとして認められている。

また、2023年11月に開催されたグローバルフォーラム「ABU DHABI FINANCE WEEK(ADFW)2023」でのインタビューにおいて、『目標は温度管理界におけるGoogleになることだ』と語っている。

Image Credit:FortyGuard

FortyGuard公式サイトには、社名自体に強い理念が反映されている。地球の表面からオゾン層までの距離が約40(Forty)kmで、オゾン層は地球の表面の守り手(Guard)であることから、社名を「Fortyguard」と命名したという。

bitgritとの提携、「Future 100」選出で勢い加速

2022年、FortyGuardはさらなる飛躍を目指し、日本とUAEにオフィスを構えるAI企業bitgritと提携した。bitgritが強みとするデータサイエンス分野の知見によって、提供ソリューションの強化が見込まれるという。なお両社は、FortyGuardはUAEのグローバルテック・スタートアップのエコシステムであるHub71の参加メンバーであり、今後互いにサポートし合う方針を示している。

そのほか2023年にFortyGuardは、UAEの経済省および政府開発・未来大臣が毎年上位100社のスタートアップを表彰する取り組み「Future 100」の1社に選出されており、その勢いは当面とどまることがなさそうだ。

今後プレーヤーも増えていくと予想されるなか、いち早く気候テックビジネスに参入したFortyGuardはどのように発展していていくのだろうか。今後も同社の活躍から目が離せない。

参考・引用元:
FortyGuard公式サイト
FortyGuard LinkedIn公式ページ
Jay Sadiq氏 LinkedIn公式ページ

(文・Mika Ito)
英国在住。元総合商社勤務、現在は在宅フリーランスとしてWebライター・業務支援などに携わる。