組織設計のノウハウと、自然と社会にひらく建築をかけあわせ、都市と地域の新たな関係性を生み出すコモンズ。世界遺産30周年を迎えた屋久島に、12室の宿泊棟とコワーキングカフェを併設した複合施設をオープン。
皆で共有し、誰しもに開かれた空間を目指して
5月3日に、屋久島にアート&リトリート空間「Årc yakushima」をオープンしました。基盤となっているフィロソフィーは「Commons」。この言葉は、言い換えると「共有の資産」です。これは、ある特定の誰かのものではなく、関わる者皆で所有・管理をしながら誰でも利用できる開かれた場所だと捉えています。本施設は単なる宿泊施設ではなく、東京などの都市に住む人々が共同出資し、Co-Ownerとして経営や場づくりにも参画しながら、自らももうひとつの通い住まいとして利用します。様々な形で関わりながら、時間をかけて創り上げていくことを目指して設立に至りました。
Co-Ownerだけではなく、島に住む地元の人、旅行で屋久島を訪れている人にも利用や場づくりに加わっていただき、誰もが「自分の場所」と感じられるような場所を育てていきます。この施設を通して多くの人が関わり合うことで、共有の資産に近づくと考えています。
▶ HP: https://www.arc-yakushima.com/
▶ Instagram: https://www.instagram.com/tokyo.yakushima/
屋久島での1.5拠点生活
もう一つの願いとして、「都市に生きる人々が、何にも囚われずに自然体である」ということを構想しています。無意識の中で、何かの役割を背負っていたり、自分を大きく見せたり、小さく見せたり。屋久島に来て、都市での生活の中でいつの間にか積み重なっていた荷物を下ろして、自然と調和し、自然体の自分を感じる。そしてその自然体の自分をまた都市に持ち帰り、周囲の人にも影響を与える。そんな循環を巡らせていきたいと考えています。
移住や二拠点生活となると、時間がかかったり、費用がかかってしまったりと、実現に向けたハードルが高くなりがちです。一方で多拠点生活となると、なかなかその場所を「自分の場所」として捉えにくかったりもします。Årc yakushimaは、Commonsとしてこの空間をみんなで共有し、いつでも帰ってこられるような場所として、1.5拠点生活を営んでいきたいと考えています。