■冷戦時代の米軍の“トンデモ兵器”
米ソ冷戦時代の1950年代から1960年代にかけて、米軍ではほかにも興味深くもあり突拍子もない新型兵器が考案されている。
●原子力ジェットエンジン
原子力(核エネルギー)をエネルギー源としたジェットエンジンで航空機やミサイルを飛ばす計画が検討されており、 1955年には核弾頭を搭載したSLAM (Supersonic Low Altitude Missile、超音速低高度ミサイル) が考案された。
SLAMの射程は16万キロ(10万マイル)にも及び、ソ連に熱核弾頭を打ち込むことを目的に設計された。いくつかの試作品が製造されたものの、その後に考案された大陸間弾道ミサイル (ICBM) 技術に取って代わられた。
●核地雷
主に「核地雷」として知られる原子破壊兵器(Atomic demolition munition、ADM)は想定される戦場に埋められ、起爆させて敵軍を妨害することを目的に考案された。冷戦中には実際にイタリアと西ドイツ、韓国に配備されている。
実際に使用されたことはないのだが、もし起爆させれば一帯が核に汚染されるためそのリスクが甚大であることはいうまでもない。
●空対空核ミサイル
AIR-2ジニー(AIR-2 Genie)は、ダグラス・エアクラフトが開発した核弾頭搭載の空対空ミサイル弾で、敵の爆撃機編隊を撃破するために開発された。
ミサイルは空中で爆発し燃焼するため放射性降下物はほとんどなかったが、アメリカの都市上空で使用できることを示すデモンストレーションでは、5人の空軍士官を立たせた上空でジーニーを爆発させ、その安全性がアピールされた。
米ソ冷戦のプレッシャーの中で、両陣営の熾烈な軍拡競争が行われていたが、兵器や戦術面でも常に敵を凌駕するアイデアが練られていたことはいうまでもない。いずれも実戦で使われなかったことは不幸中の幸いなのだろう。
参考:「Daily Mail」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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