【科学的信頼を誇張する】
地球に届く宇宙線の量が減ると、白い雲が少なくなり、太陽光を反射して地球の気温が上昇する。それから、Science Feedbackは、確立された科学を使って評価する主要な項目として以下の3つを挙げている。
太陽活動の変化と比較した二酸化炭素(CO2)の気候への影響 地球温暖化を測定し、適切に定量化するための気候科学者による気温測定の利用 最近の気候変動と過去の気候変動の比較詳しい内容は、原文を当たっていただくとして、CO2と気温との関係について述べてみたい。
2. CO2と気温との関係【指摘1】 温室効果ガスは、気候変動要因の中で最も地球温暖化を引き起こしている。その中でもCO2は温室効果ガスに起因する地球温暖化増加の約78%を引き起こす。
→ これに対して、元IPCCのLead AuthorであったJohn Christy教授やUniv of WinnipegのTim Ball教授らが、温室効果ガスの中でもCO2の貢献度は限定的なものであり、水蒸気の寄与が95%と圧倒的だと語っている。気候モデルでは、雲の影響も考慮されていない。
【指摘2】 この映画での主張とは異なり、我々はすでに、CO2濃度の上昇が気温の上昇につながっていること、CO2原因説を立証した。さらに、CO2が、気温の直接的な強制に加えて、地球の公転軌道のような自然要因による温暖化をも増幅する、フィードバック作用を持っていることを示した。
→ 当初地球温暖化については、CO2が増加するので気温が上昇するのか、それともその逆かという先後問題があった。アル・ゴア氏も『不都合な真実』に関連してCO2が元凶だと断言した。時間経過とともにCO2原因説が主流となり、低炭素→パリ協定→脱炭素、ネットゼロなどの運動につながっている。
MIT海洋学教授であるCarl Wunsch氏は、CO2の挙動について、海洋がより重要な役割をしていると主張している。海洋は広大(地球表面の70%)で深さ(最深11,000m)もあり、長きに亘り温暖化と寒冷化、CO2の吸収や放散を繰り返している。
海水は熱容量が大きいために、陸地の温暖化が先行し遅れて海水の温暖化が起きる。陸地の温度化は大気に影響を与えるため、気温が高くなる。海が温暖化するにはタイムラグがある。海が暖かくなると溶存CO2の量が減るため、CO2が大気中に放散され大気中のCO2濃度が高くなる。逆に、陸地温度が下がると大気温度が下がり、これに遅れて海水温が下がる。その結果溶存CO2量が増えるため大気中のCO2が海に移動、大気中のCO2濃度が下がる。タイムラグは相当長い期間になる。
これは物理化学の基礎であるCO2の溶解度の説明である。つまり、温度が溶存CO2量、大気中に物質移動するCO2量を決定する。温度が原因であってCO2が原因であることは考えにくいのである。個人的には、この説明だけで温暖化の全容がわかるような気もする。
その応用例として、当たり前に行っているのが、火力発電の排ガス中に含まれるCO2の処理である。排ガス中のCO2は吸収液を使って液中に取り込まれる。CO2を利用(CCSやカーボンリサイクル)する際には、その液中からCO2をできるだけ高純度で回収しなければならない。その際、溶液の温度を50℃から100℃近くまで昇温する。温度による溶解度差を利用して、液中のCO2を気体として回収するのである。すべて、温度が原因として先行し、CO2の挙動がそれに従う。