北朝鮮との関係も選挙に左右するとみています。金正恩氏は韓国を敵対視する姿勢を明白にしましたが、その変化は尹政権になってから強まったのは確実です。それまでの共に民主党政権の時は韓国が融和的姿勢だったので金氏はさほど気にしていなかったとみています。ところが尹氏になってから明白な西側諸国寄りの姿勢を示したため、厳しい発言が目立つようになります。問題は尹氏や政権の意向と国民感情がずれている可能性です。つまり、「腫れ物に触ってくれるな」「自分たちの生活を根本から脅かせるような刺激をするな」というボイスです。これは選挙で確実に反応する事態だと思います。
一方で今回の選挙戦全般を通じて見えるのは投票率は高くなりそうだけど話題性がほとんどなかったという点だと思います。日本のメディアでのカバレッジもほとんどなく、粛々と選挙が進んでいるという感じです。
その中で与野党の罵りあいは下品の極みです。野党党首は「台湾海峡の緊張は韓国には無関係だ」に始まり、「どうにか生活できるレベルでよいなら与党に投票するか、家で寝ていろ」など北朝鮮の金与正氏も真っ青になる品のない言葉を連呼する状況です。こういうのを恥ずかしいと思わない韓国の社会や文化は国際感覚からははるかに遠く、韓国が殻から抜け出せない最大の問題なのに上に立つ者がわかっていないことが残念であります。
選挙は蓋を開けてみないとわかりませんが、現状、野党が議席数を伸ばすことが確実視され、300議席のうち180-200議席まで増やす可能性が出てます。200議席、つまり2/3を超えると大統領の弾劾ができる仕組みなのでここは与党にとっては絶対防衛線になるかと思います。
個人的に韓国ウォッチャーをずっとやってきていますが、この数年は韓国に大きいな変革がなく堂々巡りであり、このブログでも発信することは少なくなりました。個人的には韓国は低成長が続き、長期的に苦しむだろうとみています。その場合、中道左派の「共に民主党」が支持されやすい構図になるのでしょう。一方、北朝鮮が口先だけでなく、実際に何かコトを起こした場合、共に民主党では太刀打ちできないだろうというのもまた事実であります。緊急時だけ日本にすがられても困る、というが日本の立場でしょう。
さて、どのような選挙展開となることやら。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年4月9日の記事より転載させていただきました。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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